2017年10月にタイで施行された、ドローンに関する新しい規制の中で、ドローンの登録が政府により義務付けられました。登録期限は2018年1月9日までとされ、現在でも多くのドローンが未登録のままです。東南アジアでは今、ドローンの法整備が着々と進んでいます。
タイでは、2014年5月に軍事クーデターが起こっており、当局は、スパイなどに活用される可能性のあるドローンを厳しく取り締まりたい考えです。
2017年10月に施行された新しい法の下では、ホビー用、調査用、商用などの用途にかかわらず、250グラムを超える全てのドローンを登録する必要があります。また、タイ民間航空局(CAAT)はドローン使用時の高さ、距離、使用できる地域に関する規制など、細かなルールを定めています。
新しい規制が発足するまでは、350台しか正式に登録されていませんでしたが、規制が発足してから、新たに8,391人のドローンパイロットが新規登録されました。その大半は政府関係者やCAATの正式なドローンパイロットであるということです。
しかしながら、タイにはドローンが約50,000台存在すると考えられているため、多くのドローンは未登録のままということになります。
新しい法の下では、未登録のドローンを使用した場合、10万バーツ(約3,100米ドル)の罰金が課されるということです。罰金が払えない場合、最長5年の懲役刑となります。
個人や商用利用のドローン、また無人航空機は、東南アジアや太平洋地域で急激に増加しています。タイだけでなくミャンマーやカンボジア、シンガポールに至るまで、東南アジアの多くの国でも、ドローンの規制化が進められています。
しかし、多くのドローンユーザーは、権利やプライバシーの侵害を恐れて、国の政策に批判的な態度を示す傾向にあります。
東南アジアにおいて、特にドローンに厳しい国はミャンマーです。ミャンマーでは2017年11月に、議会の施設でドローンを使用したジャーナリストが逮捕され、2カ月の懲役刑を課されました。ジャーナリストらは施設を空撮するためにドローンを用いたということですが、ミャンマー政府は施設付近でのドローン空撮を許可していませんでした。
タイやミャンマー以外の東南アジアの国においても、ドローン規制化の波紋は広がっています。カンボジアでは、世界遺産であるアンコール・ワットでのドローン使用は認められていません。また、シンガポールでは、ドローンを使用するために複雑な許可申請手続きを行う必要があります。