カナダ、バンクーバーにあるAIドローンを開発する企業Iris Automationは、2018年1月18日、800万ドルの資金調達に成功した事を発表しました。
2017年に150万ドルの資金調達を行ったとの発表をしたばかりのIris Automationですが、今回の資金調達は大幅に増額しています。同社はもともとカナダのバンクーバーに本社を構えていましたが、2016年10月にサンフランシスコに移動しました。
カナダに顧客を持つIris Automationが、2016年に敢えてバンクーバーからサンフランシスコに移動したのは、より多くの人材を獲得するためです。また、都市部には資本があふれているため、資金調達が行いやすいというのも移転の理由の1つです。
Iris Automationは、ドローンや自家用の飛行機に利用できる衝突回避システムを開発しています。地上の道路とは違い、空中では、山やビル等の障害物が問題になります。また、鳥や飛行機、ヘリコプターなどとの衝突も避けなければなりません。Iris AutomationはAIによって空の障害物を検出し、自動回避する技術を開発しています。
投資パートナーとしてIris Automationの役員会に参加するのは、ベッセマー・ベンチャーパートナーズのデイビッド・コワン氏です。調達された資金のほとんどは、AI開発のための技術的な試験に用いられます。Iris Automationは、AIの自動回避システムが、人間のドローンパイロットよりも優れている事を証明したいと考えています。
AIによる検出システムが組み込まれたデバイスは、重量約300グラムです。デバイスに搭載された、高解像度のビジョンセンサーと特殊なプラットフォームによって、空の障害物を検出できます。
Iris Automationの技術は、アメリカのパイプラインや電力供給システムの設備検査などに応用できます。
ドローンにこのシステムを導入すれば、障害物や他の飛行物体との衝突を回避できるため、可視範囲外でもドローンを操作する事が可能です。長距離を自動飛行するためには、無くてはならない技術と言えるでしょう。
昨今、ドローンの衝突事故が増えているため、ドローンを商業利用するためにも、Iris AutomationのAIを用いた自動回避システムは非常に画期的です。最高経営責任者(CEO)のアレックス・ハームセン氏は、今後、更に14人の人材を新たに雇用する予定であると述べています。
800万ドルは日本円にしておよそ8億7,000万円で、この調達金額からも、アメリカ西海岸の投資家たちがどれほどドローン技術に注目しているかが分かります。