DJIがMavicシリーズの新型ドローンを発売しました。今回のモデルは、価格と性能のバランスがとれたミドルクラスのドローンで「Mavic Air」という名前が付けられています。価格は799ドルで、ハイエンドモデルMavic Proの999ドルよりもリーズナブルな価格が魅力的です。
簡単に表現すると、Mavic Airは、SparkとMavic Proの中間的な存在で、コストパフォーマンスを重視したモデルです。Mavic Proとは違い、携帯性に優れており、重量も41パーセント軽くなって、折り畳んだ時のコンパクトさもMavic Airの魅力となっています。
特筆すべきなのが、そのカメラ性能です。
ハイエンドモデルに迫るカメラ性能を備えており、Sparkに搭載されているカメラに失望していた人も、十分に満足できるレベルになっています。カメラセンサーの大きさは1/2.3で、最大30fpsの4K動画を撮影する事が可能です。
また、12メガピクセルの広角レンズで静止画を撮影でき、f値が2.8なので、撮影した画像も明るいのが特徴です。
飛行性能にも優れており、最高時速42.5マイル(約68キロ)で飛行できます。時速22マイルの強風にも耐えられ、安定した飛行ができます。Mavic Airはアンテナ設計も刷新されており、飛行中は視界距離の2.5マイルを維持する事ができます。
Mavic Airは、換気システムが改善されているため、ドローンの過熱を防ぐ事ができます。3軸ジンバル設計により、撮影される映像が非常に滑らかになったのもポイントです。
独自のアルゴリズムを採用した障害物検出システムにより、衝突を回避できます。小売価格の799ドルには、新しくなったリモコンの費用も含まれています。
なお、Mavic Airは確かにコストパフォーマンスが高いドローンですが、もう一歩足りない点もあります。それが、飛行時間です。
Mavic Airの飛行時間は21分で、ローエンドモデルのSparkよりも5分伸びているとは言え、Mavic Proの改良型であるMavic Pro Platinumの30分よりも9分短くなっています。
さらに、低価格化がドローン市場に与える影響もあります。Mavic Airのようなコストパフォーマンス重視型のドローンが増えると、アメリカのドローン市場は大きな影響を受けます。低価格化により、競争が成り立たなくなるのです。GoProのドローン市場撤退は、その顕著な例です。
中国では、これから数年に渡ってDJIの他にもドローンのリーディングカンパニーが設立されると考えられており、今後も低価格化は必至と言えるでしょう。中国広州に本社を置くEhangなどの新興ドローン企業もその一つです。