Y6Sは、車で移動すると約1時間かかるヒースロー空港からチャリングクロス駅までを12分で飛行可能なドローンです。
イギリスで最初の自律旅客ドローンを開発した起業家マーティン・ワーナー氏は、旅客を乗せてのテスト飛行を2018年の早々に行うと話しています。
ワーナー氏のベンチャー企業であるオートノマスフライト社はバッテリー型無人旅客機であるY6Sを製作しており、イギリス国内で最も混雑の激しい都市、ロンドンの交通機関に革命をおこすことになるでしょう。
「いずれ、確実にエアシャトルシステムや自律型ドローンもしくはパイロットが搭乗したドローンが通勤手段として使われるようになるだろう」とワーナー氏は語っています。
無人型の旅客ドローンの安全性に問題がないのかという質問に対し、ワーナー氏はドローンが持つ安全性について語り、サイバー攻撃のリスクについても「このドローンはシリアル番号がつけられており、追跡可能で、そして海を越えての飛行はせず、短い距離の飛行のみで済むため、リスクは少ない」と答えています。
なお、セキュリティの暗号化については、「暗号化に関しては常に一歩先を見続け、それを見直すことを行わなければいけない」と語りました。
垂直離着陸機が次世代の交通手段の注目となり、コストも人々が思っているほどかからないとワーナー氏は考えています。また、テスト飛行はすでに、ケント州とサリー州の州境で行われているとのことです。
我々がY6Sと呼んでいる二人乗りの旅客ドローンのコストは平均して25,000ドル前後であると彼は話しています。
現在世界各地の数社が無人型旅客ドローンの開発に取り組んでいますが、イギリス企業はオートノマスフライト社のみです。
中国の無人航空機メーカーであるイーハン社は2017年、ドバイで自社製の一人乗りドローン「イーハン184」を採用したドローンタクシーのテスト飛行を初めて行いました。
一方NASAとの飛行タクシープロジェクトに関わっているUberは、テスト飛行を2020年に開始する予定としています。
今後は、規制条件に問題が出ない限り、5年以内にはイギリス国内で旅客ドローンが流通するであろうとされています。