お酒を飲んだ後、車を運転する事は法律で固く禁じられていますが、お酒を飲んだ後、ドローンを操作するのはどうなのでしょうか?今、米国ニュージャージー州では「ドローン飲酒運転」を禁じる法律が認められつつあります。
飲酒運転は人身事故を引き起こし、時に罪のない命を奪います。ドローンも、操作を一歩間違えると航空機の飛行を妨害したり、救助用のヘリコプターの行く手を阻んだりすることがあるのです。ドローンを操作する人も車を運転するのと同じように、責任感をもって操作する必要があるというのが、この法案の意味するところです。
これまでにアメリカではドローンに関係する多くの厄介な事件が起きています。ケンタッキー州で、とある男性がドローンを銃で撃ち落としました。庭に侵入して娘の部屋を覗き込んだというのが男性の主張です。この事件で、男性は無罪と判断されました。
また、カリフォルニアで山火事が起こった際に、何者かがドローンを飛ばして撮影を始め、散水のために出動していたヘリコプターを妨害した事件もあります。
酒に酔った政府関係者がドローンを見失い、ホワイトハウス付近で落下したという事件も起こりました。ホワイトハウス付近には、安全のため上空を監視するレーダーがあるものの、このドローンを検知することはできませんでした。この事件は、飲酒後のドローン操作の危険性だけでなく、ホワイトハウスのセキュリティーの脆弱性を露呈する形となりました。
このような現状を受けて政府は「ドローン飲酒運転」を禁止すべく動き出したのです。この新しい法律の下では、0.08パーセントのアルコール濃度が検出されれば、飲酒ドローン運転となります。その刑は重く、6か月の禁固刑もしくは1000ドルの罰金となります。
しかし、政府のこの判断に対しては、反対意見も上がっています。アメリカ大統領は可視範囲外でのドローン操作を合法にしようとしていますが、大統領の考えを支持する人たちは、今回の「ドローン飲酒運転」禁止法案に対しても、批判的な見方を持っています。
飲酒後にドローンを運転する事を禁じるのは、決して間違った感覚ではありません。日本の国土交通省も同じ見方を持っています。ドローン操作のガイドラインの中では、アルコールを摂取した後に無人飛行機を操作しないよう促すルールが述べられています。
ドローンの分野は現在、法整備が技術に追いついていない状態です。科学技術の進歩は私たちの生活を時に複雑にする事があり、今後も対策が求められています。