新エネルギー産業技術総合開発機構NEDOとスカパーJSATは2017年12月7日に、共同で高高度ドローンの飛行通信試験を福島県で行いました。
試験で得ることができたデータを、災害現場など地上からの通信が難しい場合でもドローンが飛行できる飛行管理のシステム設計に活かすとしています。
今回の試験は、福島県とNEDOが取り交わした「福島ロボットテストフィールドを活用したロボットとドローンの実証等に関する協力協定」に基づく実証試験の第1弾となるものです。
高い高度での発電出力を計算するためのデータ取得の試験では、高度や機体角度で大幅に変化する、ドローンに搭載された太陽電池パネルとバッテリーの発電出力を算出しました。
高い高度を飛ぶドローンと地上の無線局との間での通信品質を測定する試験では、使用する周波数帯や送信電力、ドローンの機体姿勢などによる影響をできるだけ抑える必要がありました。
ドローンを高さ約280メートルの低空で飛行させ、地上に設置した解析用移動局との間での電波の伝搬特性を測定し、目視外飛行中のドローンの通信品質を確保するためのデータ収集を行いました。
試験で目的とされていた様々なデータを得ることができ、通信衛星や高い高度を飛べるドローンを使用することで、目視外の区域でも通信が行える可能性を把握することができたとのことです。
両社は今回の試験で得られた理解を、新たに開発を予定している高い高度を飛べるドローンや通信機器の製造に活かすことにしています。
これにより、被災現場や地上での通信が困難な地域でも小型で安価なドローンを用いた目視外飛行ができる飛行管理のシステムを構築し、新たな利用領域の開拓と市場の拡大を目指すとしています。