2018年1月8日、GoProのニック・ウッドマンCEOは2017年第4半期の決算発表において、ドローン事業部の閉鎖、自身の報酬を年間1ドルとすることを発表しました。
2016年はGoPro(ゴープロ)にとって非常に厳しい年でした。
というのも、GoProの Hero4Sessionの売り上げが伸び悩み、さらにPolaroid Cubeに特許侵害の訴訟を起こされてしまったからです。
競争が激しくなるアクションカム市場から逃れようと、ダイバーシティ経営を試みたのが2017年ですが、新製品のKarma Droneはリコールに追われる結果になりました。
2016年後期には、100人の従業員がエンターテイメント事業部から解雇され、2017年前期には更に270人がリストラされました。その結果、経営は一時持ち直したものの、状況は厳しく、GoProはドローン撤退を余儀なくされました。
2018年には更に200から300人の人員削減が行なわれる予定です。
GoProがドローン市場に投入したKarmaは、DJIのノウハウを利用して開発されたドローンです。アクションカム大手とドローン大手がタッグを組んで生み出したハイブリッドドローンとも言えるでしょう。満を持して売り出したものの、バッテリーの不具合が発覚し、GoProは事故防止のためにリコールに踏み出します。
GoProの自信作であるKarmaは、価格としてはハイエンドモデルで、ユーザーの期待も高いために、リコール騒動は大きな打撃だったと言えるでしょう。
GoProは2018年に人員削減を行うものの、2月半ばまで給与の支払いは続く予定です。CES2018でGoProはフラッグシップモデルとなるHero6を発表しました。GoProは、明るいニュースでリストラ報道を相殺したいと考えている、との見方もあります。
スマホのカメラ性能も年々向上しており、GoProよりも安価な代替品が出回っているため、アクションカム市場は厳しい状況が続きそうです。
強いこだわりを持たないアマチュア層にとって、GoProと代替品の違いは、さほど大きいものではなく、ユーザーが安価なアクションカムに流れていることも否めません。
GoProはダイバーシティにより経営の立て直しを行ってきましたが、変化の激しい業界であるだけに、先行優位の市場におけるシェア獲得に難航している状況です。
2018年は黒字となる可能性がありますが、人員削減に頼る形では、長期的な経営の立て直しは困難でしょう。2018年、GoProがどのように市場を開拓していくのかが焦点になりそうです。