都市部での交通渋滞は、ドライバーを悩ます、未だ解決策のない問題です。
あなたも、交通渋滞が原因で仕事に遅れたり、大切な約束に間に合わなかったりした経験があるかもしれません。
多くの国では交通渋滞に対処するため、交通整備を徹底し、都市高速道路を建設したりしています。中国では、車両ナンバーを曜日によって制限するなどして、渋滞緩和を図っています。
今のところ、交通渋滞に対する完璧な解決策はないようです。しかしこういった問題も、ドローンを利用した「スカイタクシー」なら緩和できるかもしれません。
実際、先進技術を持つ多くの企業が、ドローンを用いた「スカイタクシー」ビジネスを模索しています。
スカイタクシープロジェクトを推進しているドイツのボロコプター社は、CESで18基のローターを搭載した、人を載せることができるドローンを公開しました。
2011年に同社は、バッテリー駆動のドローンで、人を載せて飛ぶことに成功しました。2017年には、天候状況が過酷なドバイで試験飛行を行い、その実用性を検証しました。
エアタクシーがある世界を想像してみましょう。実現すれば、全世界で配車サービスを展開する米ウーバーのアプリのように、簡単にドローンを呼び出すことができるようになります。
まず、スマホを取り出し、アプリを起動します。スカイタクシーを予約すれば、数分後に迎えに来てくれます。電子マネーで料金を支払い、空を飛んで家路につくことができます。
絶対に遅れられない大切な会議だとしても心配ありません。交通渋滞がないため、時間通り目的地に到着できます。
国を問わず、多くの都市では交通渋滞が問題になっています。
例えば、ブラジルのサンパウロでは、時間帯によって、渋滞が300キロ近くになることがあります。日本国内の高速道路でも、時には100キロ以上の渋滞になります。
こういった状況を考えると、スカイタクシーはやはり魅力的な交通手段です。
100%バッテリーを使用しているため、環境に優しく、空気汚染などの心配もなく、垂直離着陸ができ、滑走路も必要ありません。エンジンを搭載していないので、とても静かです。
ドローンには予備のバッテリーが搭載されており、通常の運転で30分間飛行する事ができます。非常用にパラシュートが用意されていますが、開発者は、まず使用することはないだろうと述べています。
なお、ドバイの当局はスカイタクシーの導入に積極的なのに対し、アメリカではまだ米国連邦航空局(FAA)の許可が降りていないため、実用化までにはまだ時間がかかりそうです。
とはいえ、ボロコプター社以外にも、エアバスが2020年の実用化に向けてタクシー用ドローンの開発を行っており、配車サービス大手のウーバーもスカイタクシーの開発に積極的です。