立体印刷機とも呼ばれる3Dプリンターは、ものづくりに応用されています。多くの場合3D CADデータに基づいて製品が造られますが、中には3次元コンピューターグラフィックスに基づいたものもあります。
3Dプリンターの歴史は長く、1980年代までさかのぼることができます。当時、3Dプリンターは普及しておらず、コストが高く、現実的ではありませんでした。価格も数百万円ほどするものだったので、企業や組織でしか利用できなかったのです。
のちに、オープンソース化され、安くて数万円程度でも手に入るようになり、個人でも3Dプリンターが使えるようになります。現在では、製造業のみならず、さまざまな分野で3Dプリンターが使われるようになっています。たとえば、3Dプリンターは以下のような分野で利用されています。
1、医療
2、建築
3、航空宇宙
4、技術開発
試作品やモックアップを作る場合に3Dプリンターを利用することもあります。また航空宇宙の分野では、3Dプリンターを国際宇宙ステーションに持ち込み、データのやり取りだけで、修理部品を作ることができるようにする技術も考案されています。
アメリカの陸軍研究所「ARL」は、3Dプリンターを使用したドローン製作に取り組んでいます。陸軍が必要とするドローンはさまざまで、多くの要求を満たさなければなりません。市販のドローンを陸軍のミッションで使用する場合、改造のために多くの時間がかかってしまいます。
しかし、3Dプリンターを利用することによって、比較的簡単にドローンをカスタマイズすることができます。例えば、陸軍の1人が、ARLの開発した3Dプリンターのアプリケーションを利用して、特定の任務を果たすためのドローンを注文します。その後、3Dプリンターにより、24時間以内にドローンが製作されます。
また、3Dプリンターで製作できるドローンのカタログを作っておくことによって、陸軍関係者が作りたいドローンを簡単に見つけ出すことができるようになっています。この方法は時間短縮にもなるため、陸軍関係者から高い評価を得ています。
研究者たちはこのアプリケーションの試験において、陸軍関係者らとコミュニケーションをとり、フィードバックやコメントに基づいてプラットフォームの改善を図りたいと考えています。このように、3Dプリンター技術は、陸軍兵士らが必要とするドローンを早急に実現化するために応用されています。