小型無人機「ドローン」を使い、検査対象の血液を配送する実験を広島大やNTTドコモなどのチームが2017年12月15日、広島県の離島・大崎上島で実施しました。
離島や山沿い地域が多い広島県は、近くに医療施設が存在しない無医地区が全国で2番目に多くなっています。同チームでは2年後までに技術の確立を目指すとしています。
今回の実験では、広島大医学部の貞森拓磨客員准教授らが、模擬の血液を搭載したドローンを、約600メートルに渡って自動飛行させました。
約7キロの間の配送が最終的な目標で、これからも実験を何度か繰り返すことを予定しています。
ドローンのコントロールには携帯電話の通信網を使用しており、一般の携帯電話を利用している人への影響を防ぐことや、万が一落下した場合でも血液が飛び散らない容器の作成が課題となっています。
今回の実験のきっかけとなったのは、大崎上島で医院を開いている貞森さんの義父からの相談です。車で25分離れた場所にある施設に往診する際、血液検査を行うには別の担当者が医院まで往復しなければなりませんでした。
ドローンを使うことにより約15分で済ますことができるといいます。貞森さんは「過疎地の医療従事者はひとりで何役も担当している。ドローンを使って効率を上げたい」と話しています。