技術開発が進む大型ドローン!ボーイング社が米海軍との契約に積極的

更新日: 2018.05.10 公開日: 2018.01.23
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米海軍は現在、MQ-25開発プログラムを進めています。このMQ-25は無人給油機で、戦闘機や他の飛行機に空中給油を行うことができます。この開発プログラムの中で、ボーイング社が無人給油機のプロトタイプを完成させました。

米海軍が取り組んでいるMQ-25開発プログラムとは何でしょうか?別名をスティングレーと呼ばれるMQ-25は、空母艦載機で、給油を主な目的とする飛行機です。スティングレーとは海洋生物のエイのことで、この飛行機は見た目もエイに似ています。

アフターバーナーのジェットエンジンを搭載している戦闘機は燃料の消費が激しく、長時間の飛行ができませんが、無人給油機から途中給油を行えば、長距離の飛行が可能になります。

米軍は、大陸間弾道ミサイルなどの脅威に対処するために、より速く目的地に到達できる戦闘機が必要だと考えています。無人空中給油が利用できれば、空軍の守備範囲は大きく広がることでしょう。

この給油用ドローンは、現段階でエンジンテストまで完了しており、来年にはテスト飛行が行なわれる予定です。ボーイング社の開発したこのドローンは6800キログラムの燃料を積むことができ、920キロメートルもの距離を移動することができます。このドローンは特に、ボーイングF/A-18スーパーホーネットやEA-18Gグラウラーに給油する目的で設計されています。

ボーイング社は米海軍へ90年にわたり航空機を提供しており、専門知識の点では他社の追従を許さない大手航空機メーカーです。

いっぽうで、ロッキード・マーティン社と、ゼネラル・アトミックス社も米海軍と契約を結びたい考えです。ロッキード社は「エコで安全で、なおかつ静かな」音速飛行機の開発に取り組んでいます。

ロッキード・マーティン社はNASAとの協力関係にあることで知られており、ゼネラル・アトミックス社もプレデターCと呼ばれる無人戦闘攻撃機の開発に取り組んでいます。どちらも航空技術の最先端を担う、大手航空機メーカーといえるでしょう。

ボーイング社は最近、垂直離着陸「VTOL」技術で知られるオーロラ・フライト・サイエンス社を買収しており、米海軍がどの企業と開発契約を結ぶかが焦点となっています。

今回のMQ-25ドローン開発は、わたしたちが利用できる旅客機に応用されるかもしれません。現段階で進んでいる具体的な計画はないものの、可能性は十分にあると、ボーイング社の研究開発部門であるファントムワークスは述べています。