人の声を聞き分けるドローンを開発 災害時の捜索に期待 東工大など

更新日: 2018.05.10 公開日: 2018.01.14
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様々な雑音の中から、耳をそばだてるように人の声を聞き分けることができるドローンを、東京工業大や熊本大などの研究チームが開発しました。災害時、瓦礫の下敷きになった人の捜索などに役立つといいます。

これまでも、倒壊した建物やその周囲など、人が近づくことが難しい所での情報の収集にドローンを利用することが計画されていますが、ドローンから生じるプロペラの回転音や風切り音により、閉じ込められた人の声を聞き取ることが難しいという課題がありました。

東工大の中臺“なかだい”一博特任教授らは、同時に複数の人が声を出しても、ひとりひとりの居場所や音声を聞き分けることができる、「HARK」と名付けられているロボット向けの技術を応用しました。

ドローンに合わせて16個の集音装置を装着し、人の音声以外の雑音を取り除いて、閉じ込められた人の居場所を特定できるようにしています。

中臺さんは「この技術があれば、これまでの方法では見つけることができなかった、夜間や、瓦礫の下の被災者も迅速に発見することができる。一般に市販されているドローンでも利用することができる技術なので、普及してほしいと願っている。これからは携帯電話の音や呼び笛なども認識できようにしたい」と話しています。