ドローンには小型のものから大型のものまで、さまざまなサイズがあります。小型のドローンはバッタほどの大きさですが、大型のドローンになると、自家用ジェットほどの大きさになります。現在、アメリカ海軍では、偵察機として利用される大型ドローンの開発が進められています。
アメリカ海軍は来年までに、グアムに2台の大型ドローンを配備する意向です。グアムは、北朝鮮のミサイルの攻撃対象にもなり、一時騒然となった島です。アメリカ領の島であるため、複数の米軍基地があります。
グアムはまた、アジアとアメリカの中心地点にあるため、アメリカにとってユーラシア大陸とアメリカ大陸の両方を監視する上で有利な場所です。軍がグアムへの配備を予定しているのは「MQ-4C」というドローンで、機体が非常に大きく、小型ジェットほどの大きさです。24時間飛行することができ、55,000フィートもの距離を連続航行できます。
55,000フィートは約17キロメートル弱で、東京駅から品川くらいまでの距離をノンストップで飛行することができます。アメリカ大陸西海岸からグアムに無人飛行することはできませんが、グアムの領海上空をくまなく巡航して監視するにはふさわしいドローンといえるでしょう。通称トライトンと呼ばれるこのドローンは、グアム基地への配備のため、11月にカリフォルニアの米軍基地に到着しました。
米軍のドローン配備プロジェクトを請負っているのはノースロップ・グラマンという、バージニア州に本社を置く軍需メーカーです。軍はこのプロジェクトに約7億5,900万ドルを投資しており、ドローンはグアムで海上保安のために用いられることになっています。
グアムに配備される予定のこのドローンは高高度での巡航が可能です。飛行時間も長いため、広範囲にわたって、海上の安全管理ができます。
これまでグアムのアンダーセン空軍基地には、RQ-4という旧型のドローンが配備されていました。このドローンは通称グローバルホークと呼ばれ、イラク戦争でも投入されました。グローバルホークは現在でも攻撃能力を持たない偵察機として利用されています。
トライトンとグローバルホークは実質同じものですが、前者は海軍に使用され、後者は空軍に使用されているという違いがあります。海軍司令部によると、海上の天候が好ましくないため、グローバルホークは現在、日本の横田基地に移動されているということです。