イスラエルの刑務所でドローンを使った密輸行為が発見される

更新日: 2018.05.10 公開日: 2018.01.03
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アマゾンのドローンによる宅配サービス「Prime Air」が注目されています。小さな荷物を運ぶのであれば、ドローンはとても低コストで使いやすく理想的であり、ドローンを効果的に活用すれば経済の発展にも貢献できます。しかし、思ったようにはいかないのが現実です。

近年、ドローンを悪用する犯罪者が増え続けています。イスラエルでは、囚人への違法物資を送り届けるために、しばしばドローンが用いられています。刑務所は金属製の柵で堅く防備されていますが、ドローンなら簡単に侵入できてしまうのです。

イスラエルにある20箇所の刑務所で、2017年だけで40件ものドローンに関係する事件が起きています。イスラエルにあるほとんどの刑務所がドローンに悩まされているのです。BBCの調査によれば、イギリスで2013年には0件だった刑務所におけるドローン犯罪は、2014年までに2件、2015年までに33件へと急激に増加しています。

USAトゥデイ誌が今年1月に述べたところによれば、過去5年間においてイスラエルでは、刑務所における密輸撲滅のための多くの努力が払われてきました。しかし、その努力はドローンに対しては無力だということです。密輸される物資には、薬物や携帯電話、ポルノなどが含まれます。

イスラエルにおいて、この問題を難しくしているのはドローンに関する規制です。刑務所の監視員が、たとえ刑務所付近でドローンを発見しても、法律上それを破壊また没収することはできません。刑務所の看守が、たとえ疑わしいドローンを付近で見つけても、今の段階では、なすすべがないのです。

ドローンは警察や軍隊だけでなく、アマチュアのドローン愛好家にも利用されます。犯罪者にも利用されることがあるのです。こうした現状を受けて、イスラエルの政府関係者たちは、NSC「国家安全保障会議」で、イスラエルのドローンの脅威について専門的に対策を行なう組織を立ち上げようとしています。イスラエルにおいてドローンの数は急激に増加しており、その数は20,000台にも及ぶと推定されています。

20,000台の中で正式に登録され承認されているドローンは、そのほとんどが商業用で、全体の1.4パーセントにすぎません。そのため、イスラエル当局は、アメリカのようなドローンのオンライン登録システムを導入しようとしています。アメリカでは、300グラム以上、25キロ以内のドローンはすべて登録する必要があります。