アマゾンの子会社、アマゾンテクノロジーが開発を試みている警察用「肩乗りドローン」は、特許申請まで出されており、近い将来実用化される見込みです。
フランスのボルドーで試験的に行われている、ドローン撮影技術を利用した取り締まりは、すでに相当な効果を上げており、摘発された違反者は数百にも上ります。
例えば、防犯カメラがない場所で警官が交通違反を見つけるのは大変なことです。どこかに張り込んで違反者を見つけ出し、車両ナンバーを目視し、必要なら追跡もしなければなりません。しかし「空飛ぶポリス」にまかせてしまえば、違反車の発見からナンバーの確認までほとんどのことを行ってくれます。
ドローン撮影技術による取り締まりは以下の手順で行われます。
1.巡回および撮影
2.ストリーミング映像を送信
3.違反車や危険運転を発見
4.警察の判断により追跡撮影開始
5.摘発
英国でもDJIドローンの撮影技術を利用して公務が行われています。警察により24時間体制のチームが立ち上げられ、公務に関係するさまざまな任務をこなします。
・犯罪や交通事故の証拠写真撮影
・遭難、天災の際の救助活動
・海岸部や森林地域で密猟者がいないか監視
DJIドローンは特別仕様に改造されており、サーモグラフィ撮影やズーム撮影対応で、遠く離れた場所からでも問題を発見できます。ニューヨークのドローン研究センターによれば、警察や消防隊にドローンが利用された例は過去8年間で350件近くにおよび、そのうち半数がここ12か月間に行われたということです。
交通規則違反者の取り締まりに効果的であるとはいえ、フランスでは有名人を含む4,000万人もの人たちが警察のドローン使用に反対しています。プライバシーや自由の侵害がその主な理由です。
抗議活動抑止のためにインドで用いられた唐辛子スプレー搭載ドローンは物議を醸しました。将来的に、個人のプライバシーや安全性を尊重しつつドローンを用いることが課題になりそうです。