オーストラリアのクイーンズランド州の海洋人命救助団体である「サーフ・ライフセーヴィング・クイーンズランド」は、人間に危害を加える危険があるワニを監視して、州の最北端の海岸で泳ぐ人たちの安全を確保しようとドローンの導入を決めました。
付近のワニの生息地でワニが泳いでいるのが目撃されてからというもの、過去3週間で3つの海岸が閉鎖されています。「人が泳いでいる近くで、この頃ますます多くのワニが目撃されるようになっている」と救助活動コーディネイターのジェイソン・エージェントは指摘しています。
「泳ぐ人たちは、赤色や黄色の旗を探して安全な場所を見つけようとする。さらに安全性を確立するために、空中にドローンを飛ばすようになった」と彼は言っています。
また、「ずっと昔からワニの襲撃問題はありましたが、問題が解決しておらず、サーフ・ライフセーヴィング・クイーンズランドが先陣を切って問題に取り組んでいる」ともコメントしています。
同団体は、ドローンがワニを見つけ出すアルゴリズムを作成するために、地元のワニの農場から支援を求めました。
「私たちは野生動物公園に行って、野生の環境におけるワニの映像をおさめることに成功した。ワニがいそうな辺りでドローンを飛行させ、ワニを検知すると、パイロットに警告するボックスが画面に出てくるような仕組みを考案した」と関係者は話しています。
また、ワニのえさとなる爬虫類などが見られた場合は“近くにワニがいる”という危険信号であり、管轄当局に連絡をして、同団体は安全のために海岸を閉鎖することになっています。
アン・キャメロン(79)は、2017年10月に養護施設を出た後に徘徊し、ポートダグラス近郊のモウブレイ川でワニに襲われました。一方、漁を営むウォーレン・ヒューズ(35歳)は、2017年3月にケアンズ南部のイニスフェイル近くでワニに不意打ちされています。
ジュリア・ルー市長は、地元は安全だと主張していますが、ドローンの使用には積極的です。「少なくとも私たちの住む海岸は安全だと思われるが、目撃者が増加しているのは心配」とルーは語っており、「ワニはこれまで長い間出てこなかった場所に現れるようになってきている」と懸念しています。
サーフ・ライフセーヴィング・クイーンズランドは、1人のパイロットを訓練するために約3,000ドル(33.63 万円)の費用がかかると言っています。同団体は、ドローンによる海岸の監視を継続したいため、近い未来にクイーンズランド州が予算を採って、3〜4台のドローンを購入することを望んでいます。