アマゾンは、ケンブリッジの中心に新しい開発センターを開設すると発表しました。開発センターには、アマゾンの人工知能アシスタント「Alexa」とプライム・エアー・ドローン配送の調査に専念する400名の従業員がいます。
アマゾンの英国の責任者ドウグ・グア氏によると、「アマゾン・リサーチ・ケンブリッジ」と名付けられたチームは、エンジニア、科学者、研究者といった学際的なチームを一同に働けるようにするために、ケンブリッジにあるアマゾンの自社ビルに入ることになります。
グア氏は「英国は技術革新の最前線で、数百年におよぶ素晴らしい歴史があり、それは現代まで続いている。開発センターの場所を選ぶにあたっては、世界最高の科学者、エンジニアが見つかる場所を選ばないといけない。しかしそのためには、そういった人たちが“そこに住みたい”と思えるような場所でなければ意味が無い」と言っています。
アマゾンが入ることになった新しい建物は、同社が英国に対して行った64億ポンド(9,666 億円)の投資の一部であり、2017年内に同社が新規に生み出すと公表している5,000人分の雇用が含まれます。
優れた技術者同士オフィスの片隅で交わす会話が本物のイノーベーションのきっかけになることから、同社はフロアを開放的な空間にすることに注力し、働く人たちが気軽に会話しやすいように設計していることが特徴的です。壁にはアートが飾られ、他人に邪魔されずに電話会議に参加できる仕組みもあります。
アマゾンのチームは、人々が買い物に利用するフロントエンドサイトの機能から、デバイス、技術に至るまで、あらゆることを網羅しようとしており、ケンブリッジのチームはAlexaの開発において大きな役割を果たしています。
たとえばAlexaの電源を入れて、ローカル関連の質問にAlexaに答えさせることができるバックエンド型の機械学習から、機械なのにほとんど人間が話しているように聞こえる音声合成システムまで、その開発によって登場した機能はさまざまです。
2012年にアマゾンは、ケンブリッジに本社を置くAIに特化した企業「EVI」を買収したことで、Alexaの重要な部位の開発は大きく進み、力のある技術者が一緒に開発に加わるようになりました。
また、法的な規制に関して、英国の特徴的な点を活かしてドローンを開発していこうという意向もアマゾンにはあります。
「ケンブリッジでアマゾンのプライム・エア・チームの仕事を行う理由のひとつは、民間航空局とのパスファインダー協定に調印したことで、ドローンを実地テストできるためだ」と責任者は言っています。
ケンブリッジの研究チームの仕事には、プライム・エア・チーム以外に、アマゾン・クラウド・カムとか、エコー・ショーデバイスといった、アマゾンの新製品も含まれています。