Facebookはロンドンで大型の太陽光ドローンを発表する予定

更新日: 2018.05.10 公開日: 2017.12.27
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Facebook社は、Aquilaというドローンをまもなく披露する予定です。マーク・ザッカーバーグは、太陽光で飛ぶことができるドローンの誕生を夢見ています。

Facebookはロンドンのビクトリア&アルバート(V&A)博物館で、太陽エネルギーを動力源とするドローンを披露すると発表しました。

AquilaプロジェクトはFacebookにとって新規事業の中では最大のものの一つであり、同社は世界の人里離れた地域に住む人々にインターネットを提供したいと考えています。

「当初から、V&Aは先駆的な芸術、科学、デザイン、テクノロジーを守り育ててきた」と博物館のトリストラム・ハント部長は語っています。

また、ハント部長は「デジタル革命の真っ只中に、この熱烈な期待を集める展覧会は、人工知能、合成生物学、宇宙探査の加速し続ける未来を掘り下げている。V&Aは、私たちの将来の社会について、スタジオやラボから博物館への生中継で実験を行っている」とも語りました。

Aquilaは「未来への挑戦はここから始まる(The Future Starts Here)」という大きな展覧会の展示物の一つとして展示されます。同展覧会では合計で100点以上の出品があり、技術・科学・芸術が一般社会においてどのように役立ち、どのように変えていくのかを分かりやすく紹介しています。

この展示会では、Facebook社にとって非常に関係が深い、ドローンやAIといった技術的な側面もあわせて紹介される予定です。

Facebookのエンジニアによると、Aquilaはモバイル・ブロードバンド・ネットワークにアクセスできない16億人の人々をネットで結ぶ必要性から発展したとのことです。

「完全に実用化されると、高空ドローンは1回の飛行において、最大で90日間空中にいて、地上から60マイル(約100キロ)広域に、ブロードバンドを送信することができ、ネットに接続されていない世界中の人々にインターネットを利用する支援を行うことができる」とエンジニアは語っています。

昨年、Facebookは、アリゾナ州ユマの空でドローンによる飛行実験を初めて成功させました。フェイスブックのCEO、マーク・ズッカーバーグ氏によると、最初の飛行は30分の予定だったのですが、チームはドローンに自信を持っていたため、96分間ほど空中に浮揚させました。

「私たちの最終的な目標は、Aquilaを高度6万フィート(18,288メートル)で飛行させ、レーザーでお互いに通信し、数か月間空中に浮遊している状態にすること。それは過去に誰もやったことがないことだ」とザッカーバーグはコメントしています。

Aquilaは飛ぶために最小の重量で動くように設計されています。したがって、離陸または着陸装置はありません。テストの間、チームはAquilaを台車に固定し、台車を離陸速度で動かす必要がありました。そこから自動操縦によって地上を離れ、空中のより高い所へ到達します。

Facebookチームによると、このプロジェクトの最大の課題は、ドローンが24時間稼働するのに十分な日照を確保できるようにすることでした。60,000フィート(18,288メートル)の夜間巡航高度は5,000Wの電力を必要とします(「3台のヘアドライヤーと同じ」とFacebookは説明しています)。

ドローンはさらに、冬季に太陽の露出が短くなる状況に対応可能にする必要があり、寒い季節も、Aquilaの電池には厄介な問題となります。バッテリーは、Aquilaの全重量の50%を占める重要な部分であるため、これらの課題解決が必要です。

2018年5月に展示会にAquilaが出品される時には、これらの課題や、それに対する解決策などの全貌が展示される模様です。