NFLの試合中にドローンでメディア批判ビラ撒いた男逮捕

更新日: 2018.05.10 公開日: 2017.12.23
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2017年11月26日に行われたNFLの試合中、2つのスタジアムでドローンを使用してメディアを批判するビラを撒いたとして、トレーシー・マイケル・メイプス容疑者(55)が逮捕されました。

ビラが撒かれたスタジアムは、カリフォルニア州サンタ・クララのリーバイス・スタジアムと、同州オークランドのオークランド・アラメダ・カウンティー・スタジアムでした。

メイプス容疑者はリーバイス・スタジアムでビラを撒いたのち、車でオークランド・アラメダ・カウンティー・スタジアムへ移動したと見られています。

同容疑者がビラで主張したのは「テレビ局は腐敗している。ニュース番組を信じてはいけない」という趣旨の内容でした。

撒かれたビラはほとんどが風に流されてスタジアム外へ飛ばされたため、大観衆に自らの主張を届けるというメイプス容疑者の目標は果たされず、試合への影響もなかった模様です。

米国では空港から5マイル(約8km)以内の区域でドローンを飛行させることは違法です。趣味の目的で飛行させたい場合は、操縦者は飛行前に空港に通知・許可を得なければなりません。また、商用目的であれば、FAA(米連邦航空局)ライセンスを持っていなければなりません。

リーバイス・スタジアムとオークランド・アラメダ・カウンティー・スタジアムは、どちらも空港から5マイル以内に位置しています。

ドローンは飛行機やヘリコプターとの衝突リスクが非常に大きく、ニアミス事案の多発から、現在多くの国と地域で空港付近の利用に規制がかかっている他、登録義務等法整備が進んでいます。

サンタ・クララ郡警察のダン・モレノ氏は「スポーツ会場でドローンが墜落した場合、鋭いブレードが観客や選手に当たると非常に危険。ドローン操縦者が絶対に墜落させないという保証はない。そのため、スタジアムはドローンを飛ぶのに適した場所ではない」と語りました。

米連邦航空局は2014年にスポーツイベント上空でドローンを飛行させることを禁止していましたが、2015年にはNFLに対してDJIの3機種限定で、観客が入っていない時間の飛行許可を出しました。

ただし、これはNFL側のドキュメンタリー映像等の撮影目的での飛行に関するもので、観客及び部外者のスタジアム上でのドローン飛行については固く禁じられています。

メイプス容疑者は憲法で保障される言論の自由の権利を行使しているだけだと主張しています。初公判は2018年1月上旬に行われる予定です。