ナイルワークス 地上30cmからドローンで農薬を散布

更新日: 2018.05.10 公開日: 2017.12.22
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ナイルワークスは、高い精度での飛行ができるドローンによって、農業の生産性を向上させることに貢献しようとしています。

同社が開発を行っているドローンは、完全な自動飛行による液体肥料や農薬などの精度の高い散布の実現を目指しており、農業に革新をもたらす可能性があります。

同社のドローンは、上空で撮影した画像から水田や畑地の形を識別し、わずか30cmの高さから農薬などを散布することができます。

機体の4か所にある2枚ずつのプロペラで発生する下方向の気流を制御することで、狭い範囲を狙って散布することが可能となっており、いたずらに広い範囲に散布することがなく、散布する量が従来の方法の2分の1以下で済むとしています。

2017年10月には産業革新機構、住友化学、クミアイ化学工業、住友商事、全国農協連合会、農林中金から8億円の出資を受け、実用化に向けて開発を進めています。

また、2018年には青森、秋田、岩手、山形、新潟、栃木、茨城に合計15台のドローンを配置し、運用方法や運動性などを調査するテストを予定しており、ゆくゆくは種子の散布や1株ごとの発育の管理にも利用することを考えています。

農薬散布などにはラジコンのヘリコプターを用いることがありますが、高い精度での飛行が難しく、墜落事故や近隣住宅への農薬の拡散による呼吸障害などの事例があるため、今回のドローン導入はこれらのリスク軽減に期待が寄せられています。

ナイルワークスの柳下社長は、完全自動飛行のため、操縦ミスや墜落などの危険性はほぼないと安全性を明言しています。