2017年10月、アメリカ合衆国カリフォルニア州NASAアメリカ航空宇宙局ジェット推進研究所は、人工知能操作による無人操作ドローンと、国際的なドローン操縦者の権威であるケン ルー氏のレースを企画しました。
NASAの報道発表では NASAジェット推進研究所は2年に渡り、無人操作ドローンの開発に力を入れてきたとのことです。この開発はグーグルの出資により、特に画像処理によるドローンの自動飛行分野で研究がなされ、特殊カメラを設置した人工知能が操作する無人操作ドローンが開発されました。
なお、この注目レースの勝利者は、国際的なドローン操縦者であるルー氏でした。人工知能ドローンは平均13.9秒でコースを回ったのに対し、国際級ドローン操縦者であるルー氏は11.1秒でコースを回りました。
しかしながら、ルー氏はレースに勝利したものの、全般に高速でコースを操縦したことで、満足感と同時に疲労感もあったと語っています。コースの難易度にも触れ、精神的に疲れてくると操作が不安定になったため、自身の弱点は疲れやすさであることを認めていました。
それに対して、無人操作ドローンは疲れ知らずで、最後まで安定性を保っていました。人間は感覚で操縦するため、加速時に不安定な飛行操作をするのに対し、無人操作ドローンはスピード面でも全体的に安定した飛行を見せました。
正確にコースを飛ぶ優秀な人工知能ドローンは、NASAジェット推進研究所による、この2年に及ぶ開発の集大成といえるものでした。このレース結果よって、近い将来、無人操作のドローンがより多く開発される可能性が高くなったと言えるでしょう。また、 無人操作ドローン専門のレースなども観れるかもしれません。
なお、無人操作ドローンの開発研究者達は、ドローンが倉庫内などを自動飛行することでより良い倉庫管理が可能になったり、災害地区での生存者を探すために自動飛行を行ったりするなど、さまざまな用途に利用できることに期待を寄せています。
今後は、グーグルやNASAが無人操作ドローンの分野で競争を激化させることが予想されます。また、将来的にはドローン世界選手権のように、無人操作ドローン選手権がテレビで中継されることもあるかもしれません。今後も進化を続ける無人操作ドローンの分野に要注目です。