近年、橋梁やトンネルなどのインフラの老朽化が深刻であり、早急な点検が必要とされている一方で、その人手不足は深刻であり、社会問題となっています。特に橋梁は、建設から50年以上が経過した橋梁の割合が10年後には44%まで増加すると見込まれ、早急な修理や点検が課題となっています。
そうした状況の中、国土交通省はドローンなどを利用した新しい点検のスタイルの開発、導入を推奨しています。ドローンを使用することで人材不足の解消や経費の削減ができると期待されています。
ドローンによる点検は、橋梁の点検の他、トンネルやダムなど様々な分野でも利用が期待されていますが、一方で、点検が必要とされている箇所はGPSの届かない範囲である場合が多く、自律制御や自動運転の使用について課題があります。
また、取得したデータについても、検査する施設のどの部位のデータであるかを特定するための技術の開発が進んでいないことも問題とされています。
こうした様々な問題のため、結局ドローンの技術者が必要となってしまったり、報告書の作成に時間がかかってしまったりと、効率的な検査の運用にはまだまだ多くの課題が残されています。
現在、そうした問題を解消すべく、ドローンの安定した運用のためのシステムや測位システムの開発が世界各国で活発に行われており、国内でも国土交通省などの機関が中心となっての整備に期待が寄せられています。