日本では近年、運送業の人手不足の解消や配達にかかるコストの削減のために、小型無人機ドローンによる配達サービスの開発が進んでいます。そうした中、愛知県ではドローンによって調剤薬局から自宅へ薬を直接配達する「ドローン薬局プロジェクト」が始動しました。
まだ研究・実験段階である同プロジェクトですが、実現すれば通信販売のような感覚で薬を購入することが可能になります。
患者はまず、専用のアプリを使用し、処方箋の写真を撮影して送信します。薬剤師は、薬局に送信された画像を確認して薬を処方し、ドローンの下部に搭載されたメディカルボックスという箱の中に緩衝材に包んだ薬を入れます。
ドローンは患者の自宅まで自動飛行で薬を配達します。患者がアプリ操作をすると、箱が開いて薬が落ちてきます。なお、ここまでにかかる時間は十分弱とのことです。非常にスピーディーな処方も可能になります。
今年7月には、実際にドローンを利用した配達実験も行われました。実験では、片道約3kmを実際の流れと同じように配達。結果は全てが順調で一切の問題はありませんでした。
非常に多くのメリットがあるこのサービスですが、実現には多くの法規制をクリアして行かなければなりません。
このサービスが実現すれば、患者は自分から薬局に出かけることもなく、欲しい時に薬を処方してもらえるようになります。遠隔診療を利用している人は、薬をもらいに薬局に行く必要もなくなりますし、完全に在宅での医療を受けることが可能になるのです。
一刻も早いサービスの実現に期待が高まっています。