ミシガン州デトロイトを拠点とするソフトウェア企業、Airspace Link(エアスペース・リンク)はシリーズAラウンドで、Altos Ventures(アルトス・ベンチャーズ)やThales(タレス)などから1000万ドル(約11億円)の資金を調達したと米国時間の5月27日に発表しました。
この追加資金は、米国内におけるサービスの拡大と海外進出に充てる予定とのことです。
CEOのマイケル・ヒーランダー氏は、「同社が空域をまだ決定的な規制が成されていないデジタルインフラとして捉えている」と説明しています。
また、「今日には法規や規制がある」と語ったうえでAirspace Linkはドローンのためのデジタル道路を構築・管理していると述べました。
Airspace Linkはドローンの運用計画ツールを提供しており、開発者がAirspace Linkのデータをサードパーティのプラットフォームに組み込むことができるAPIアクセスもこれに含まれています。
このシステムはFAA(米連邦航空局)のLAANC(低硬度認可および通知機能)に準拠しているので、パイロットによる飛行が制限されている空域でドローンを飛ばすための申請が可能となります。
Airspace Linkはこのサービスを提供できる、FAA承認企業7社のうちの1社です。
ヒーランダー氏は今回のシリーズAの資金調達により、同社と交通機関グループをできるだけ多く統合することを目指しています。
また、同氏はAirspace Linkの主要な目的について「ドローンを国の領空や地域社会と大規模に安全に統合させること」と語ったうえで、「共有される中立的で安価な無人飛行システムのインフラを構築し、ドローン経済への道を開くという我々のビジョンに参加してくださったAltos VenturesとThalesに感謝する」と述べました。
Airspace Linkはマイケル・ヒーランダー氏をはじめ、ダニエル・ブラッドショー氏、アナ・ヒーランダー氏が2018年にデトロイトで設立したスタートアップ企業です。
プレスリリースによると、現在は米国内40以上の政府機関や自治体とパートナーシップを結んでいるとのこと。
今後はオーストラリアやカナダへの進出も視野に入れています。
Thalesのエアスペース・モビリティ・ソリューション・アメリカ担当バイスプレジデントであるトッド・ドノバン氏は、「無人航空機システム(UAS)の利用が拡大する中、地域コミュニティ周辺で安全に低空飛行を行うためには空域管理に空と地上の両方の情報を組み合わせる必要がある」と語ります。
また、Airspace Linkに対して「当社の空域管理に関する深い知識とAirspace Linkの地理空間情報に関する専門知識は、この複雑な課題に取り組むための完璧な組み合わせである」と述べました。