このNEWSの要点
長崎大学海洋未来イノベーション機構(山本郁夫研究室)は、世界遺産の保全に役立てようと長崎市の小菅修船場跡にて点検用の船型ドローンを使用した実証実験を行いました。
使用した機体は、山本郁夫研究室が開発した全長約1メートルの船型ドローンです。
前後左右に動いて小回りが利き、人の早歩きほどのスピード(時速5キロメートル)で最大4時間稼働します。
水中・水上カメラを装備し、海や川からの暗渠(通常のドローンでは撮影が難しい場所)も撮影が可能で、撮った画像から橋梁などのインフラ構造物のひび割れ等劣化点検ができることが特徴です。
小菅修船場跡の点検はこれまでダイバーが行ってきましたが、ドローンの活用により長時間の安全を確保しつつカメラで撮影した画像を3D化できることから、実用化の期待が高まっています。
長崎大学の山本郁夫副学長は、 「なかなか日常的に水中は点検できない世界。ロボットを使って点検することは非常に重要なこと」と述べています。
なお、船型ドローンは用途に応じてカスタムが可能です。
山本郁夫研究室では採水可能な船型ドローンも開発中で、地球規模で問題となっている海洋プラごみ採取や赤潮のもとになる有害プランクトンの採取実験を今後行う予定としています。