IBM社は人の疲労を検知してコーヒーを配達するコーヒーデリバリードローンの特許申請を行ったところ、2018年8月7日に「DRONE DELIVERY OF COFFEE BASED ON A COGNITIVE STATE OF AN INDIVUDUAL」(特許番号「US 10,040,551 B2」)として登録されました。
このドローンは、瞳孔の開き具合や血圧、表情などの整体データを分析し、カフェインが必要とされているかを判断するシステムが搭載されています。
特許の明細書によると、人で混み合っているエリアを飛行し、「何か飲みたい」というジェスチャーをした人やセンサーから得られたデータの電子分析をもとに特定の精神状態にあることが推測できる人をスキャンするとのこと。
スキャンが完了すると、コーヒーを即時届けます。
センサーデータには、ドローンのカメラが捉えた表情や瞳孔の開き具合、FitBitやIoTデバイスに接続したスマートフォンなどの「電子回路」から割り出される血圧データが含まれています。
また、起床時間などの有用データにも対応しているとのこと。
上手く検知ができなかった場合は、データ収集のプロセスを省き単純に呼びつけてコーヒーを運んでもらうことも可能です。
コーヒーを運ぶ際、機体に吊り下げた容器にコーヒーが入ったカップをセットして飛行します。
カップはホルダーに固定される他、水漏れ防止の容器をワイヤー類で吊り下げて運ぶ方法が考えられており、カッターでワイヤーを切断するか、リールで容器を上下させて手渡すようになっています。
また、コーヒーのようにカフェインを含む飲み物だけでなくアルコールに特化したシステムも導入しています。
このシステムはお酒で酔いが回った人がおかしな動きを見せたり、支離滅裂な口調になったときに「おかわり」を断ることも可能です。
近年では食べたい物や飲みたい物を簡単に配達注文できるアプリが盛んですが、人の手によるデリバリーができない場合は注文者が受け取りに行く必要があるという問題点があります。
そんな中、IBMはどんな場所でもコーヒーを欲しい人にドローンで届けることができる技術を考案したのです。
コーヒーには集中力を高めたりリフレッシュさせる効果があります。
将来、コーヒー1杯のために仕事場を離れなくても、欲しいと思った時点で淹れたての美味しいコーヒーを手にして気分をリフレッシュさせられる…といった時代になることが期待できます。