ACSLとエアロネクストが物流専用ドローン「AirTruck」を初公開

更新日: 2023.05.27 公開日: 2022.03.22

ACSLとエアロネクストは、3月22日に都内で開催された新スマート物流シンポジウムにて、両社が共同開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアートラック)」を初披露しました。

AirTruckは、国内初の量産型物流専用ドローンです。

エアロネクストの機体構造設計技術「4D GRAVITY」を搭載し、飛行速度毎秒10m・最大飛行距離20km・配送可能重量5kgと従来型のドローンを上回る基本性能を実現しました。

また、飛行時に機体を水平に保つ姿勢制御で、荷物のゆれを抑えつつ安定した飛行が可能です。

また、「貫通構造」と呼ばれる独自の機体構造を採用した点にも注目です。

従来の物流ドローンは機体の下部に荷物を積載する構造となっていたため、作業者は深くかがんだ状態で荷物を出し入れする必要がありました。

しかし、AirTruckは機体上部のカバーを開くと中が空洞になっており、荷物を積載するときは上から、降ろす時は底面を開いて下から降ろすことができます。

機体の披露にあたって、ACSLの鷲谷聡之社長は「これまでのドローンには物流専用の機体がなく、空撮用の機体を改造したものが主流だったため、運べる荷物も少なく使い勝手の面でも不便さがあった。今回の物流専用ドローンは、ドローン物流の社会実装にあたって誰もが運用しやすい機体をコンセプトに開発した。今後は、この物流専用ドローンによってドローン物流の社会実装が進み、既存のトラック物流とあわせて過疎化地域のラストワンマイル配送を支えていきたい」とコメントしました。

また、エアロネクストの田路圭輔CEOは「貫通構造」について、「荷物を上から入れて下から出す。この構造がこれからの物流ドローンのスタンダードになる」と語りました。

<AirTruck概要>
全長:展開時1.7m×1.5m、収納時1.0m×1.5m
高さ:0.44m
機体重量:10kg
最大離陸重量:25kg
ペイロード:5㎏
最大飛行速度:10m/秒
最大飛行時間:約50分
最大飛行距離:20km
最大上昇・下降速度:上昇3m/秒、下降2.5m/秒
ホバリング精度:水平方向±2.0m/秒、垂直方向±1.5m/秒
最大通信距離:LTE電波圏内で制限なし