東京都中野区、建物点検におけるドローンの活用を目指しJUIDAなどと覚書締結

更新日: 2021.08.07 公開日: 2021.08.07
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東京都中野区は国立研究開発法人建築研究所・一般社団法人日本建築ドローン教会・一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)との4者で、都市部における建物調査ドローンの開発に向けた共同研究を実施するため、相互協力に関する覚書を2021年5月6日に締結したことを公表しました。

 

覚書の期間は2022年3月31日までとなっており、4者は期間中に共同研究や実証実験を行いながら社会実装に向けて課題を整理します。

 

中野区が共同研究に参加する目的は「先進的なフィールド提供や実証実験協力などを行う」こと、「共同研究を通じて、区政課題におけるドローンの活用方策を検討する」こととしています。

 

<覚書締結団体(代表)及び主な役割>

 

団体

(代表)

中野区

(区長 酒井直人)

国立研究開発法人建築研究所

(理事長 緑川光正)

一般社団法人日本建築ドローン協会

(会長 本橋健司)

一般社団法人日本UAS産業振興協議会

(理事長 鈴木真二)

役割 ・フィールド提供

・実証実験協力

・関係機関との協議・調整等

ドローンの建物調査技術開発等 ドローンの安全教育等 ドローンの需要創出等

 

中野区では2019年11月に中野区役所、2020年3月に中野サンプラザで国立研究開発法人 建築研究所・一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会・西武建設株式会社が協業したうえで「ドローンを活用した(超)高層建物安全点検調査技術の開発」とした実証実験を行っています。

この際はガイドでドローンを建築物の壁面に係留して墜落や衝突を抑制しつつ、仮にコントロールを失っても意図しない地点に落下することを防ぎながら、ドローンを飛行させました。

 

ドローンの分野の中で最も大きなトピックとなっている「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4)」。

しかし現在は都市部でドローンを飛行させることは容易ではなく、上記の実証実験も中野区の敷地や株式会社中野サンプラザの敷地に限って、航空法に基づいた許可を取得したうえで実施しています。

 

工学博士であり中野区議会議員加藤 拓磨氏は過去の実証実験について「周囲に関係者がたくさんいたことと、ラインでドローンが留まっていることもあって、住民にも安全だと思ってもらえたと感じている」と話しています。

 

また、「今回の発表は建物点検がメインの目的でありながら、3区内でドローンを飛行させられる場所を目指すと考えると、チャレンジングでもある。人口の密集地帯でドローンを飛ばす際の課題は、多くの都市に共通している。このプロジェクトを通じて自治体がドローンを飛ばすためにフィールドを提供してくれるという動きが拡張していく可能性もあるし、将来的には地元の商圏とも協力しながら、ドローンに関連する“特区”の申請なども検討していきたい」とも話しました。