商船三井とACSL、電波が届かない暗所の石炭運搬船にてドローンの自律飛行点検に成功

更新日: 2021.06.26 公開日: 2021.06.26
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株式会社商船三井と株式会社自立制御システム(以下「ACSL」)は、2021年5月に商船三井が運航する石炭運搬船の船倉内におけるドローンの自律飛行点検の実証実験に成功しました。

 

石炭運搬船には高さ20mにもおよぶ船倉を有するものがあり、ハッチカバーを閉めることで暗所となるため人の目視による点検が困難なケースがあったとのことです。

その解決方法としてドローンを活用するという手段が挙げられますが、産業用ドローンの多くは地球測位システム(Global Navigation Satellite System 以下「GNSS」)からの信号を受信して位置情報を把握しています。

しかし船倉内はGNSS電波が届かないため自己位置を認識することができず、自律飛行は不可能。

熟練のパイロットによる、船上での手動操縦が必要とされていました。

 

今回の実験では、レーザー照射により自己位置の推定を行うLiDAR SLAM(ライダースラム)技術を実装した国産ドローンACSL-PF2を使用。

また、電波干渉が生じやすく無線通信に適さない船倉内での安全な自律飛行を実現すべく、ドローンとパイロットのモニタリング端末を光ダイバーケーブルで有線接続しました。

更に従来の船倉内点検に使用されていたドローンよりも高解像度のカメラを搭載することで、暗所の中でも精細な点検画像を撮影することに成功しています。

 

今後はドローンの自律飛行という特長を活かして乗務員でも容易に運用可能なドローンの開発や、様々な種類の船の船倉やバラストタンクといった閉所・暗所区画を含む環境での飛行点検の開発に取り組んでいくとのことです。

 

【株式会社商船三井】

鉄鋼原料・石炭・木材チップなどを運ぶ各種専用船、原油を運ぶタンカー、液化天然ガスを運ぶLNG船、自動車船など多彩な分野で時代の要請に応える総合輸送グループ。

概要:https://www.mol.co.jp/corporate/index.html

 

【株式会社自立制御システム研究所】

産業分野における既存業務の省人化・無人化実現のため、国産の産業用ドローン開発を行っている。

特に画像処理・AIのエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自立制御技術と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供。既にインフラ点検や郵便・物流、防災など様々な分野で採用されている。

概要:https://www.acsl.co.jp/company/