ドローンはラジコン感覚で気軽に空撮ができると思われがちです。しかし、ドローンの空撮は事故を起こすリスクがあることも認識しておかなければいけません。重量のある機体が落下すれば、大きな事故にもなり得ます。
万が一、事故を起こしてしまったらどうすればいいのでしょうか。また、ドローン事故の主な原因と、それを避けるための対策をしっかりと把握しておきましょう。
ドローンを使った空撮などで起こる事故原因として多いものは?
国土交通書に報告されているドローンに関する事故の件数は、2017年度と2018年度5月までの時点で70件です。その中から、ドローンに空撮の際に起きる事故の原因を多いものから見てみましょう。
操縦スキル不足
機体を目視で監視すべきなのに映像などに気を取られて木に衝突した、安全に操縦できる高度を超えて飛行させたために、十分な操縦ができずに墜落したという原因です。
電波障害
強い磁場を持つ鉄塔や高圧線、鉄橋が原因で空撮中のコントロールが効かなくなったため墜落もしくは衝突したという事故報告がされています。
機体の整備不良
空撮中にプロペラガードが落ちて機体のバランスが崩れたことが原因の墜落事故が起きています。飛行前の整備不良が原因といえます。
天候
空撮中の急激な天候の変化が原因で強風に流され、墜落してしまったという事故報告があります。
バッテリー残量不足または自動帰還機能設定のミス
風の影響などで予想よりも早くバッテリーが消耗されてしまい、墜落もしくは紛失するケースがあります。自動帰還機能の設定が正しくされていなかったことが原因で、空撮からの帰還途中に障害物に衝突してしまったという事故もあります。
ドローンを使った空撮を楽しむ前に心がけておきたい事故対策とは?
これらの原因を見ると、ちょっとした油断がドローン空撮の事故を招くことが分かります。事故を起こさないようにドローンの空撮をする前には事故対策を心がけましょう。
まずは機体の整備点検をしっかり行ないます。パーツにゆるみがないか、各設定は正しくされているか、バッテリー残量は充分あるか、GPSに異常はないかなどを確認します。
飛行させる場所の状況や天候をしっかり把握することも大切です。衝突の恐れがある樹木や人工物がないか、電波障害の原因となるものはないか確認します。天候の変化にも注意深くありましょう。
そして重要なこととして操縦者自身の健康状態も考慮しましょう。体調が悪い時は判断が鈍くなります。当たり前のことですが、飲酒時の操縦も危険です。
ドローン空撮中、操縦が効かなくなった時のために覚えておきたいこと
様々な原因で空撮中にコントロールが効かなくなったときは、落ち着いて機体を安全な場所に着陸させることを考えましょう。飛行地点や高度から安全に向かえる着地点を定めます。高度が低くなると、障害物に当たる可能性が高くなります。着地点付近に着くまでは、その高度に危険がなければ、高度を維持する方が良いでしょう。
自動帰還機能が正しく作動できれば、離陸地点まで帰還させることができます。正常に機能しない、もしくは機体の損傷が原因で帰還できそうになければ、その場で着陸点を決めます。どうしようもない場合は不時着させる選択肢もあります。その際は、周りの安全を確認したうえで慎重に不時着させましょう。
ドローン空撮中に墜落事故を起こしてしまったらどうすればいい?
ドローン事故の際はすみやかに関係各所に連絡する必要があります。冷静に対処できるよう事前に各連絡先を控えておくと良いでしょう。
人への被害、器物破損、飛行機との接触があった場合は、警察、国土交通省、空港事務所、敷地管理者への報告が必要です。特に、人身事故は人命を第一に、迅速に119番に連絡しましょう。
第三者への被害がない場合でも、墜落事故や機体を紛失したなら、警察署や敷地管理者へ連絡をして必ず機体の回収を行ないます。処分をする際は産業廃棄物の扱いになります。
注意したい点として回収した機体はバッテリー発火の恐れがあります。損傷が見られなくても、バッテリーを外して近くに可燃物がない場所へ15分以上放置し、発熱などの異常が起きないか確認しましょう。
事故の原因を分析して、新たな事故を起こさないよう対策を講じることも大切です。