ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)は災害時のドローン活用に積極的
2015年10月に発足した一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(以下DPCA)は、数あるドローン関連の団体の中でも、特に災害時のドローン活用について積極的に取り組んでいる団体です。
発足からわずか3ヶ月後の2016年1月には、本部事務局を構える京都府との間に都道府県としては初めて「災害時運用協定」を締結しています。
同8月には高知県土佐清水市、2017年3月には兵庫県神戸市、6月には京都府亀岡市および京田辺市、7月には大阪市など、自治体を中心に「災害時運用協定」を締結しています。
発足以降、自治体の職員向けや警察の機動部隊向けにドローン講習会を開催したり、警察のレスキュー訓練にドローン部隊として参加したりするなど、災害時のドローン活用の有用性を実証してきたことが背景にあります。
ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)の代表でもある坂口博紀氏は、2016年4月に発生した熊本地震の際に被災地に赴き、自治体や金沢大学と共同でドローンを使用して被災状況の撮影、調査用のデータ収集などに尽力しています。
自然災害が多い日本においては特に、災害発生時のドローン活用に大きな期待が寄せられています。
道路が寸断されるなどで救助隊が立ち入ることができない場所であっても、ドローンを使って被災者の有無を確認することができたり、被害状況を知ることができたり、あるいは救援物資を輸送することなどもできるからです。
「ドローンを運用して災害現場の人命救助の一翼を担い、官民協力体制の強化につなげたい」
という坂口氏の言葉通り、ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)は講習会やイベントなどを通じて、ドローンでの撮影や操縦技術の向上を図っています。
安全運航管理者の育成などを行うと同時に、日頃から空撮業務を行っているクリエイターが災害時に現場に向かい、ドローンを使った調査や捜索、人命救助を担うこともできるような体制を整えておくことが大切であり、差し迫った課題であるとしています。
ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が主催する講習会で災害時におけるドローン活用方法が学べる
ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)は各自治体と協定を結ぶだけでなく、一般ユーザーに向けても積極的に災害時のドローンの活用について学べる機会を設けています。
目的ごとに各種講習会を実施していますが、その中の防災・地域再生ドローン利活用1日講習がそれに当たります。
・ドローンとはどのようなものなのか?
・ドローン市場の現状や法規制は?
・運用するためのさまざまな知識
・安全上の注意や操縦者としての心得
などに加えて、ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)では災害発生時におけるドローン活用について1日かけて学ぶことができるタイムスケジュールになっています。
一般参加者は15,000円、官公庁の職員や学生であれば10,000円(ともに税別)とリーズナブルな費用で参加することができます。
受講後に修了証を取得した人には、同じくドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が主催するDRONEフライトオペレーター講習の1日目に行われる座学講習が免除となります。
ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が推進する災害時のドローン活用で救える命がある
ドローンの災害時における有用性の一つとして“初期調査”が挙げられます。
「黄金の72時間」「72時間の壁」などと言われるように、災害発生から72時間を境に生存率が大幅に減少するとされています。
そのため、被災状況を調査するには “初期調査”が非常に重要になってくるということが分かります。
災害時、多くのケースでヘリによる捜索や調査が行われますが、ドローンに搭載された赤外線カメラでの撮影は、肉眼では判断しきれない状況まで把握することができ、ヘリでは近づけない距離まで容易に近づくこともできます。
*ドローンの赤外線カメラで撮影したデータは、人命救助や家屋倒壊のレベル判断にまで使用できるほどと言われています。
セッティングから実際に飛行させるまでの時間もヘリより早く、機体が小さいことから複数台飛行させることも可能で、狭小地や物陰などにも立ち入ることもできます。
自治体や国、そしてDPCAなどの団体が密に連携し、ドローンを駆使した初期調査が行えるようになれば救える命が増えるかもしれません。
ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が推進する災害時のドローン活用が、今後全国的に拡大していくことに期待しましょう。