ドローンを安全に飛行させるには、さまざまなルールを守らなければなりません。飛行禁止区域や、その他の飛行ルールを正しく把握して、優良なドローンパイロットを目指しましょう。
ドローンの飛行禁止区域とは?
バッテリーを含めた機体重量が200gを超えるドローンは、航空法の規制対象となります。航空法では、以下の空域を飛行禁止区域に指定しています。飛行させる場合は事前に国土交通省への申請および許可が必要になります。
空港等の周辺(進入表面等)の上空の空域
羽田、成田、中部、関西国際空港や、法令で定められている空港は概ね24km、その他の空港でも概ね6kmは飛行禁止区域です。ヘリポート等も含まれます。
空港等の周辺の空域に当たるかどうかは国土交通省「進入表面等の設定状況」や、国土地理院「地理院地図」で確認できます。
人口集中地区の上空
5年ごとに実施される、国勢調査の結果からはじき出された人口集中地区の上空です。国勢調査ごとに飛行禁止区域が変わる可能性がありますので、常に最新情報をチェックしておく必要があります。
人口集中地区かどうかは総務省統計局「人口集中地区境界図について」や、国土地理院「地理院地図」で確認できます。
150m以上の高さの空域
地表または水面から150m以上の上空は飛行禁止区域です。
200g未満のドローンは上記の規制対象にはなりませんが、飛行にあたって注意しなければならない区域であることに変わりはありません。対象外だからと安心せず、きちんと把握しておくことが、優良ドローンパイロットへの第一歩です。
その他のドローンの飛行ルール
続いては、200g未満のドローンも対象となってくる飛行ルールです。国土交通省では、次の飛行ルールを定めています。ルールから逸脱する場合、事前に地方航空局長の承認が必要であるとしています。
日出から日没までの間に飛行させること
目視の範囲内でドローンや周囲を常に監視しながら飛行させること
第三者又は第三者の建物や車両などから30m以上の距離を保って飛行させること
縁日やイベントなど人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと
爆発物など危険物を輸送しないこと
無人航空機から物を投下しないこと
こうしたルールについては、国土交通省「無人航空(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」に詳しく記載されています。
このほか、警視庁でも「小型無人機等飛行禁止法」について注意喚起しています。
同法では、国会議事堂、総理官邸、原子力発電事業所といった国の重要施設周辺(概ね300m)を飛行禁止区域に指定しています。こちらは200gといった重量の規制ではないため、すべてのドローンパイロットが把握しておく必要があります。
また、各自治体が独自に条例を設けているケースもあります。上記いずれにも該当しないからと安心していると、自治体の条例違反になることがありますので、ドローンを飛行させる場所の条例は、きちんと事前に把握しておきましょう。
飛行のルールを把握して優良なドローンパイロットに
今回は、ドローンの飛行禁止区域や、その他の飛行ルールについて解説してきました。
ここで紹介した以外にも、ドローンを飛行させるにあたっては、さまざまな法律や規制が対象になってきます。一つ一つをすべて覚えるのは大変ですが、せめてドローンが絡む項目くらいは把握しておきたいものです。
優良なドローンパイロットが増えることは、ドローンが健全に発展していくことにつながります。安全で楽しいドローン・ライフを楽しむためにも、法律やルールはしっかり理解しておきましょう。
また、法律やルールと併せて心がけたいのが、飛行させる前後の点検です。本体やプロペラに不具合はないか、バッテリーは十分か、機体に歪みやヒビはないかといった点検を欠かさないことも、優良なドローンパイロットに欠かせない要素です。