新型コロナウイルスの影響により外出自粛が求められている現在、運動をする機会が減った人は多くいます。
外へ遊びに行かない代わりに一人で運動を使用にも、続けるにはモチベーションが保てない、正しい方法でできているかも分からない…といった悩みはつきものです。
しかし、近年ではそんな悩みを解決してくれるドローンが開発されています。
「Jaggobot」
「Jaggobot」はAIを搭載したクワッドローター式ドローンで、ジョギングをするランナーのTシャツに描かれたマーカーをカメラでとらえ、一定の距離を保ちながら追尾するように設計されています。
2012年にオーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の学生たちを中心に、最初のプロトタイプが開発されました。
ジョギングのモチベーション維持を目的として開発されており、後をついてくるだけでなく目の前を一定のペースで飛行し応援してくれるトレーナーの役割も果たしてくれます。
気分に合わせて音楽をかけたり、正しいフォームをアドバイスしたり、走り終わったときに体調をチェックするという機能の実装も考えられていましたが、ドローンは約20分の飛行が限界であったことからそれが改善されない限り実用化は難しいとされていました。
しかし現在は開発は継続して行われており、当初と変わらない「運動のモチベーションを維持する」という機能がコロナ禍により更に注目を集めていることから、近い将来「Jaggobot」が市場に登場する可能性もあります。
「Traverse」
韓国の弘益大学の学生が設計した、「Jaggobot」の進化形ともいえるドローンです。
AIを搭載した完全自律型のクワッドローターは洗練されたデザインも特徴的。
ジンバルにあるメインカメラと複数の魚眼カメラでランナーの姿を撮影しながら、運動のグラフ化やフォームの修正、付属するウェアラブルデバイス「Pod」を通した音声でアドバイスもしてくれます。
こちらも現時点ではアイデア段階であるものの、ドローンを使って記録したトレーニングの状況をフィードバックに使う方法はプロサッカーチームにてすでに採用されています。
「Traverse」のデザイナーはより手軽に、夜間トレーニング時の見守り役や視覚障碍者の運動サポートとしても役立てられるのではないかと説明しています。
Exertion Games Lab「Drone Chi」
Exertion Games Labが開発を手掛けた、ゆっくりとした動きで身体を鍛える太極拳が一緒にできるマイクロドローンです。
小さな花のような形をしており、本体にはモーションキャプチャ機能が搭載されています。
ポインタが付いた専用デバイスを手のひらに装着し、ふわりと浮かび上がったドローンを手の動きに合わせて動かすことが可能です。
同様の機能を持つトイ・ドローンは発売されているものの、「Drone Chi」は一方的な操作ではなく「コントロールすることで身体感覚を高める」ことを目的としています。
使用しているうちに「Drone Chi」をパートナーのような存在と思うようになり、ダンスやアート表現のようなインタラクションの効果をもたらすとのことです。
2016年には「2046年までに小さなドローンがユーザーの周りを飛び回り、リアルタイムで運動をサポートするようになる」という説も上がっていましたが、より早いペースでドローンの開発が進んでいると言えます。
様々なアイデアがデザインされたドローンが登場し、フィットネスにおいて活躍する未来もそう遠くはないと期待できます。