ドローンは近年様々なビジネスシーンで目にする機会が増えました。今回は、インフラ点検におけるドローンのビジネス活用に関しての紹介となります。
インフラ点検にも大活躍!ドローンの活用事例をご紹介
ドローンのビジネス活用の1つとして今、ドローンを利用したインフラ点検が注目されています。特に人が目で確認するのが難しい場所や、点検を行うことが困難な場所、高所などの危険をともなうインフラ点検の現場では、ドローンが大活躍します。
ドローンのインフラ点検はどんな風にして行われる?
様々なインフラ点検の現場で活躍しているドローンですが、実際のドローンによるインフラ点検は、どのようにして行われているのでしょうか?
例えば、橋の土台となる橋脚をドローンによって点検する際は、まず、完成したばかりの段階で橋脚の撮影を行います。その際にコンピューター・グラフィックス(CG)を用い、橋脚の腐食による立体造形を数値化します。
その後、次の点検の際に改めてドローンによって同じ場所の撮影を行い、完成時との数値の違いによって、腐食による橋脚改修の有無の判断材料とします。
インフラ点検にドローンを活用するメリットは、大きく以下の3つがあります。
インフラ点検の費用が抑えられる
インフラ点検の費用が抑えられることは、ドローンを活用する際の最も大きなメリットになります。インフラ点検に携わる人の数を最小限に抑えられることで、人件費の削減に繋がります。また、人が作業する際に、今まで設置していた足場の費用も同時に抑えることができます。
時間短縮ができる
従来、人が点検する際に使用していた足場の設置と解体作業が、ドローンの登場によって不要になりました。それにより、インフラ点検の大幅な時間短縮ができるようになりました。
危険区域に飛ばすことができる
橋脚のみならず、ダムや原子力発電所といった、人が行うには危険な現場でのインフラ点検は、遠隔操作できるドローンを活用することによって、点検を行う人の安全を確保することができます。
実際に行われたドローンによるインフラ点検の事例
ここでは、近年実際に行われたドローンによるインフラ点検の事例を紹介します。
2018年2月6日、三菱地所株式会社、丸の内熱供給、ブルーイノベーション、Liberawareは、オフィスビルの空調用エネルギーを供給する熱プラント間を結ぶ熱供給用洞道で、自律飛行ドローンを用いた点検実験を実施しました。
この実験は、通路幅が約60センチメートルと狭く、さらにGPS信号が届かない地下の洞道内部において、GPS不使用で自律飛行ができるドローンを使用するという難易度が高い実験でした。当実験の結果は今後、狭いスペースや地下空間でのインフラ点検に役立てられるでしょう。
もう1つ、東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社が目指す電力インフラ向けのドローン活用をご紹介します。
電力インフラとは、送電線や鉄塔といった電力に関わるインフラのことです。電力会社が実施する電力インフラの点検作業は、現在でも作業員の目視による点検が一般的です。
こうしたインフラ点検の現場にドローンを活用することで、送電線や鉄塔を安全かつ迅速に点検ができ、作業時間の短縮や安全性の確保に繋がると注目されています。
インフラ点検をはじめとする、ドローンビジネス活用における課題
様々なインフラ点検の分野でドローンの活用が拡大していますが、現状、まだまだ性能の面で課題があります。
特にインフラ点検の現場において、一番の課題となっているのは「風」です。ドローンが活躍する場所は、橋梁や送電線といった高所が多く、強風の影響を受けることでドローンの飛行が不安定になり、衝突事故等により、場合によってはインフラ点検が不可能になることがあります。
そういった問題もあることから、ドローンの飛行能力の向上が、今後のビジネス活用には必須であると言えるでしょう。