ドローンの操縦自体に免許はいりませんが、無線を利用するケースもあるため、電波法を守ったり、無線関連の資格が必要になったりする場合もあります。これらは法律で定められている以上、知らなかったでは済ませられません。トラブルにならないためにも、ドローン操縦に必要な無線の知識について、事前に調べておきましょう。
ドローンに関連する電波法とは?
電波法の定義は「電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする」とされています。
この電波法は、私たちの安全な生活に欠かせないものです。私たちの身の回りにはテレビ、携帯、無線LANなど、電波が多く使われています。鉄道や交通の統制のための電子機器も、電波の影響を大きく受けます。
もし、電波法がなくそれぞれが好きな周波数で電波を流したら、混線して通信がうまくできなくなったり、電子機器が誤作動を起こしたりする可能性があります。そのため、電波法によって、周波数など電波の使用にルールを決める必要があるのです。
そのルールを守っているという印が「技適マーク」です。国内で電波を利用した機械を使う場合には、この技適マークがついていなければいけないと決められています。手元にある無線LAN、電話の子機、スマホなどをよく見ると、技適マークがついていることに気が付くでしょう。
しかし、海外で購入したものや、並行輸入した海外製品は、このマークがついていないことがあります。技適マークのない製品を無免許で使用すると、電波法違反で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」なので注意しましょう。
ドローンに関わる無線の資格と免許についてご紹介!
電波法に違反することなくドローンを操縦するには、無線に関連したどんな免許と資格が必要なのか、詳しく見てみましょう。
・無線局免許
2.4GHzを使用していて、技適マークがついていれば免許は不要です。ただしFPV飛行の場合は、携帯局や陸上移動局の免許が必要です。なお、並行輸入のドローンは技適マークがついていないことがあります。その場合は、2.4GHzであっても無線免許が必要なので、無免許でドローンを飛ばすと電波法違反になります。
・無線従事者資格
ドローンの種類によって必要な無線従事者資格が異なります。まず、FPV飛行をする場合に必要なのが「第4級アマチュア無線技士」です。操縦中に5.8GHzの周波数を用いてカメラの映像を通信するための資格が必要になります。日本無線協会が免許取得の試験を開催しており、受講料5,002円で受けることができます。合格率は高く、テキストを暗記して臨めばいいので、取得しやすい免許です。
ドローンに関係するもう1つの資格が「第3級陸上特殊無線技士」です。2016年の電波法改正により、5.7GHz帯の周波数をドローンで使用することが許可され、より高品質な映像を通信できるようになりました。
このドローンを操縦する場合には、第3級陸上特殊無線技士が必要です。養成課程では講習と試験がセットになっており、3万円程度の費用で取得できます。
どちらの資格も難易度はさほど高くないので、今後本格的にドローンを楽しみたい、より高品質な映像が撮りたい、という人は取得しておくといいでしょう。
1日で学べる!?日本ドローン無線協会の無線セミナー
日本ドローン無線協会の無線セミナーでは、ドローンに特化した電波に関する知識を得られます。
短縮1日コースの場合、朝10時から始まり、午前中はドローンの電波伝搬の基礎、通信方式と変調方式について学びます。午後はアンテナ概論、ドローンの無線機器、知っておきたい電波法とドローン電波の留意事項の講義を受けた後、質疑応答の時間を経て、17時に終了します。
参加費は昼食込みで21,600円、JDRI会員、JUIDA会員、JDC員は18,360円です。1日で一通りドローンの無線に関する内容を学ぶことができ、都内で定期的に開催されているので、参加もしやすいセミナーです。ドローンを使うにあたって、電波法が心配という人は、こういったセミナーで一度きちんと勉強するのもおすすめです。