ここ数年で普及拡大しているドローンを活用した測量。技術の向上により、短時間での測量ができるようになっています。そんなドローン測量ですが、普及に伴い日々さらなる進化を遂げていることをご存じでしょうか。ここでは、ドローン測量における最新技術を徹底紹介します。
ドローン測量における最新技術「RTK」とは
これまでのドローン測量では、GPSが搭載されたドローンが一般的に用いられていました。ですが、需要の高まりとともに技術も向上し、現在はさらなる高い性能を誇る「RTK」という技術が注目されています。
RTKとは「リアルタイムキネマティック」の略で、地上に設置された電子基準点からの位置情報データを受信するシステムです。
従来行われていた地上測量に比べて、GPSを搭載したドローンでも短時間での測量が可能と話題になりましたが、GPSを搭載したドローンでは、ドローンを飛行させる前に地上基準点の設置をおこなわなければならず、その地上基準点の設置に全体の3割ほどの時間がかかっていたのです。
一方、最新技術である「RTK」を搭載したドローンであれば、地上基準点を設置せずとも測量ができるため、設置時間を省きより短時間での測量を実現しています。
測量時間の短縮の他にも、RTKを搭載したドローンで測量をおこなえば、衛星測位システムと電子基準点の2つのシステムから位置情報を取得することができるため、これまでよりも正確な位置情報を得られ、収集されるデータの精度も向上します。
また、高度の計測に関してもRTKを搭載したドローンにはレーダーによる高度計測が行われるうえ、桐生変化にも対応できる技術が搭載されたことから、常に正確な高度計測が可能となっています。
これまで以上に正確なデータかつ、短時間で習得できるRTKシステムという新しい技術が生み出されたことは、正確なデータを取得することが最大のポイントとする測量分野をはじめ、ドローンのビジネス業界にも大きな影響を与えています。
RTK技術による具体的な測量精度とは
これまで一般的とされてきたGPSを搭載したドローンによる測量では、地上基準点の設置を行うことで測量データの誤差は10cmほどでした。ちなみに、地上基準点を設置しなかった場合は2mほど誤差が生じます。
一方、最新技術であるRTKを搭載したドローンによる測量であれば、測量データの誤差はわずか数cmまで縮まるとの結果が出ています。
このように、ドローンによる測量はRTKシステムという新しい技術が登場したことで、より普及拡大が期待できるでしょう。
しかしながら、ドローン測量における新しい技術はRTKシステムだけではありません。
ドローン測量における技術の進化はソフトウェアでも向上している
測量現場でのドローンの需要が高まっていく中で、進化している技術はドローン本体やドローンに搭載するシステムだけではありません。
ドローンを活用して測量を行う場合ドローンはもちろん、ドローンを飛行させて取得したデータを解析するソフトも必須です。そのソフトウェアにおいても日々技術は向上しています。
例えば、ドローン測量に特化して開発された「Drone Deploy」では、自動航行や解析、出力まで一貫して行うことができます。
「Drone Deploy」の一番の特徴は、ドローンで空中撮影を終えたあと、パソコンなどを一切さわることなくアップロードができることです。
自動航行により空中撮影を終えたドローンは、そのまま自動で離陸地点へと戻ります。着陸した時点で、すぐに自動でアップロードをしてくれるため、人が行う作業が減り、効率化につながります。
新しい技術を取り入れた「Drone Deploy」は、もちろん効率化が計れるだけではありません。
RTK搭載ドローンと3Dソフト「Drone Deploy」を用いた測量では、国土交通省の「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」で定められた、測量の精度を達成することが出来るほどの技術を持っています。
ドローンが測量分野はまだ注目されたばかりです。
現在、国土交通省では、「i₋construction(アイ・コンストラクション)」の取り組みの中で、「ICTの全面的な活用(土工)」を掲げているため、今後はさらに、ドローンを使った測量が浸透していくことが期待できます。
ドローンやソフトウェア技術の進化はもちろん、ドローン飛行に関する法律も日々検討されていますので、今後の動きにも注目しておきましょう。