悲鳴を聞いて駆けつけるドローン、フラウンホーファー研究所が開発中

ドイツ全土に75の研究所・研究ユニットを持つ欧州最大の応用研究機関、フラウンホーファー研究所が悲鳴を上げる人間の位置を特定できるドローンを開発しているとのことです。

このドローンは自然災害が発生した際に生存者の助けを求める声を検知し、その居場所を突き止める機能を搭載しています。

これにより、災害救助隊や救助犬よりも素早く広範囲をカバーできるのです。

 

研究チームは、このドローンに搭載するAIを鍛えるため最初に自ら悲鳴を発したり、助けを呼ぶ声や声を出せない状態で居場所を知らせようと何かを叩いたりする音のサンプルまで録音・蓄積をしてAIアルゴリズムに教え込みました。

 

更にAIはドローンそのものが放つローター音や不要な音を除去するよう調整されており、スマートフォンや補聴器にも採用されている超小型デジタルマイクアレイを導入しています。

マイクはドローンの下面に搭載しており、信号処理技術によって人が発する音がどの方向から聞こえるのかを特定します。

すでに実際の災害現場を想定した屋外での実証実験に成功しており、チームのエンジニアの一人であるマカレナ・ヴァレラ氏は「音を検知して数秒以内にその位置を特定できるまでになっている」と語りました。

 

チームは今後の開発目標として、より高周波の検知が可能なマイクを用いて多くの音声信号を処理し、音の検出可能な範囲を拡大したい考えを示しています。

 

この技術が実用方面へ展開し始める時期は未定とのことですが、研究所はマイクアレイで拾った音を追跡する技術の特許化を進めている一方で、実験とプロトタイプの開発も継続しています。

 

フラウンホーファー研究所の開発部門は、開発プロセスは一本調子に進むものではないと述べたうえで、「我々は技術を開発し未解決の問題に取り組むことが得意ですが、商品化は我々の仕事ではありません」と語ります。

しかしすでに同研究所には多方面から技術提携の依頼が舞い込んでいるとのことで、この技術が人命救助で実際に活用される未来がくる可能性もあります。

 

なお、悲鳴を聞きつけはしないものの災害現場へドローンを導入した例は既にあります。

初期の状況を把握するため建物の崩壊状況を調査したり、赤外線カメラで生存者の体温を検知するといったシチュエーションで活躍しているのです。

また、チューリッヒ大学などは飛行中にトランスフォームして狭い空間に進入できるドローンの開発も進めているようです。

    

RECOMMEND おすすめ記事

上に戻る