米軍士官が1年近く前の演習で、初めてドローン“MQ9“を使った無人機撃墜に成功した事をこの度明かしました。この報告は、米軍が無人機に空からの脅威に対抗する能力を搭載したいとのアナウンスをしてから、数か月後の事でした。
この詳細は“Military.com”が2018年9月アメリカネバダ州クリーク空軍基地で行われたプレミアドローンユニット、432ウィングの責任者である米空軍大佐ジュリアン・チーターへのインタビューで明かされました。
「2017年11月に行われたテストで、MQ9が飛行中のドローンを空対空ミサイルで撃ち落とす事に成功しました」
チーター氏は演習名目や、ターゲットとなったドローンのタイプ、使用した空対空ミサイルの詳細については明かしませんでしたが、熱線追尾式空対空ミサイルによく似た“AIM9Xサイドワインダー“を使用した可能性が高いです。
現在、通常のMQ9が搭載しているのは、精密誘導型の空対地ミサイルと爆弾、燃料タンク、センサーポッドです。
2016年11月、防衛産業協会空軍備討論会で、ナバルエアシステムコマンドの空対空計画事務所の責任者である米海軍大佐ジェームズ・ストーンマンは、AIM9Xを搭載したMQ9の写真を公開しました。AIM9Xは米海軍を中心に管理されています。
空対空兵器をMQ9リーパープログラムに加える案が米空軍から報告されたのは、2003年頃にまで遡ります。当時、米軍はイラクからの攻撃に僅かでも対抗出来るように、熱線追尾式空対空ミサイルを搭載したMQ1プレデターを所持していました。
戦術、技術、手順を確実なものにする事で、テロ等の脅威から身を守る事が可能になります。その点、MQ9は無人飛行体からの攻撃に対応する1つの大きな鍵となり、他の戦闘機と組み合わせて戦闘すれば、ダメージを負わずに帰還する事も可能です。
なお、旧型のスティンガー搭載プレデターと比較して、AIM9Xを搭載したMQ9は遥かに優れており、MQ9の最新の構成では、発射後にターゲットをロックオンする機能が付いています。
リーパー独自の“リンク16″データリンクシステムと組み合わせる事で、第三者が無人航空機、ドローンの操縦者と、ミサイル自体にターゲット情報を提供する事が可能です。
これにより、無人航空機の先端からの非常に細い視界を頼りにしなければならない操縦者に、肉眼で見える範囲より広い範囲の視界を提供する事が出来ます。
さらに、離れた戦地で敵のドローンや有人戦闘機を墜落させる事も可能です。2017年、米軍とパートナーシップを組むシリアの小さな守備隊を攻撃していたイランの無人機を、米空軍のF-15Eストライクイーグル有人戦闘機は2度に分けて墜落しましたが、このような状況でも、MQ9であれば、旋回しながら1度の攻撃で、撃ち落とす事が出来るのです。
さらに、「MQ9は大陸間移動が可能です」とチーター氏はインタビューで話しました。戦闘司令官に戦略的な選択肢を提供するMQ9の活躍に、今後の期待が高まっています。
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