ドローンと聞くと普通は、地上から100メートルほどの上空を飛行する無人飛行機を思い浮かべますが、世界には高度約20,000メートルを飛行できる、高高度ドローンがあります。エアバスとウィリアムズが共同開発を行う「ゼファー」です。
エアバスはフランスに本社を置く民間航空機のメーカーです。この「エアバス」という名称には、「バスに乗る感覚で飛行機を利用できるように」という思いが込められています。大型旅客機のシェア争いにおいては、ボーイング社と熾烈な競争を行ってきた企業でもあります。
日本ではピーチアビエーションやエアアジア、スカイマークといった航空会社がエアバスの旅客機を採用しています。また、エアバスは航空宇宙機器開発にも力を入れている企業です。
一方、今回エアバスがドローン開発で協力関係を結んだウィリアムズとはどんな企業なのでしょうか?
F1が好きな方であれば、一度は耳にしたことがあるかもしれません。ウィリアムズは1977年に設立されたイギリスのF1チームで、これまでにホンダやトヨタ、BMW、メルセデスとも提携を組んできました。F1を語る上では欠かせない名門チームといえます。
エアバスが現在行っている高高度ドローン「ゼファー」の開発は、もともとキネティックというイギリスの企業によって行なわれていました。このキネティック ゼファーは336時間22分8秒という極めて長い時間の飛行に成功した、歴史的なドローンです。飛行高度は65,000フィートという、約20,000メートルに近い高さを記録しました。
今回、エアバスとF1チームのウィリアムズが提携を組んだのはなぜでしょうか?
ウィリアムズは長年レーシングカーの研究開発を行ってきました。そのため、高効率バッテリーや軽量素材についての技術をもっており、実際に、EV用の軽量強化シャーシの開発も行っています。
高高度ドローンのゼファーはソーラーバッテリーを利用しており、長時間飛行するためにボディを軽量化する必要があります。エアバスは、この点でウィリアムズから技術を学びたいと考えているのです。
高度20,000メートルにもなると、成層圏に達します。成層圏は気温なども一定しており、比較的安定した飛行ができると考えられています。この種の航空機は準衛星または疑似衛星に分類され、さまざまな目的に利用されます。
エアバスによるこのゼファー開発プログラムは、将来的に、通信や観測の目的に利用される予定です。
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