都市型自動運転船「海床ロボット」夢洲で実証実験 炎重工の純国産水上ドローンを活用

更新日: 2021.06.13 公開日: 2021.06.24
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2025年5月、日本国際博覧会協会と大阪商工会議所が主催する「2025年大阪・関西万博の会場予定地である夢洲における実証実験の提案公募」に、純国産水上ドローンの「Marine Drone」を使用した「都市型自動運転船『海床ロボット』による都市の水辺のイノベーション実証実験」が採択されました。

 

Marine Droneは岩手県滝沢市の炎重工が開発したもので、作業の目的に応じた様々な機器と連携することで水上作業の自動化・効率化に加え安全性の向上に貢献します。

昨今の情報セキュリティや安全性の観点から、総務省2015年度異能vationの支援を得て開発された高信頼性組込OSが使われ、自立移動などの制御系も含めてオープンソースを使わずに製作されています。

インフラ点検や災害対策などへの応用を意識し、今後も純国産の開発や改良を進めていくとのことです。

 

採択が決まった今回のプロジェクトは竹中工務店を代表法人としており、共同参加法人として東京海洋大学海洋工学部清水研究室、IHI、水辺総研、新木場海床プロジェクト、ウォーター・スマート・レジリエンス研究協会、炎重工が名を連ねています。

 

取り組みでは、Marine Droneをベースとした「海床ロボット」を開発するとのことです。

日本の都市は水辺(川辺・海辺)を中心に形成されてきましたが東京や大阪などの大都市も例外ではありません。

近年、大都市臨海部は都市過密化により交通・物流・環境・災害などの課題が複雑に絡み合っています。

こうした課題に対して、人や物の移動を支えるうえで都市部の低末利用化した水域の活用が重要な糸口になるのです。

 

上記のような課題に向けて、都市内水域を動く都市型自動運転船「海床ロボット」は、水辺の様々な都市問題を解決するとともに水辺を変革していくものとして今回の実証を行うとのことです。

 

大阪万博の会場となる夢洲での実証実験の公募には、39件の提案が寄せられました。

このうち最終選考を通過したのは10件、採択を受託した実証実験候補者は9件です。

実証実験案件は、大阪府・大阪市・大阪商工会議所で構成される「実証事業推進チーム大阪」と連携し、チーム大阪によりフィールド利用に関する調整などが進められます。