進む農業用ドローンの普及!ドローンによる農薬散布のメリットや知っておくべきこと

更新日: 2020.04.11 公開日: 2020.04.19
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産業用ドローンの普及が目覚ましいスピードで広がっています。その中でもドローンによる農薬散布はメリットが多く、多くの農業従事者たちに注目されています。今回は、農薬散布にドローンを利用するとどのようなメリットがあるのか、ドローンによる農薬散布を行うために知っておくべきことをまとめます。

目次

農業におけるドローンの利用は急激に拡大している

人手不足や農業従事者の高齢化など様々な問題が指摘されている農業分野ですが、解決策のひとつとして農作業にドローンを利用することが勧められています。操作が比較的簡単で、コンパクトで持ち運びがしやすいドローンは、骨の折れる農作業を効率的に短時間で完了させることができるというメリットがあります。

農林水産省の調べによると、2017年3月から2018年12月末までで農業用ドローンの機体登録数が6倍以上に増えたことが分かっています。ドローンオペレーター認定者数も5.5倍ほど増加しているとのことで、農業におけるドローンの利用が急激に拡大していることが分かります。

農業用ドローンの普及が期待される分野は幅広く、ドローンに散布装置を搭載して農薬散布、肥料散布、種まき、受粉が行えるようになりました。ドローンによる農産物などの運搬や、ドローンに搭載されたカメラやセンサから得られたデータを活用して圃場センシング、鳥獣被害対策をすることも可能です。

これらの中でも特にニーズが高く、ドローン導入が注目されているのが農薬散布の分野です。農業ドローンの利用は、2015年12月より「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」をもとにしていましたが、2019年7月に廃止され手続きが簡素化されました。

ドローンによる農薬散布の規制緩和により、手続きは国土交通省の承認に一元化されました。農林水産省はドローンを使った農薬散布について、2022年までに散布面積を100万ヘクタールに拡大することを目標に掲げています。

国を挙げた農業用ドローンの普及の後押しと、ドローン技術の進歩により、今後もドローンによる農薬散布が拡大していくことが期待できます。

 

農薬散布に農業用ドローンを導入することのメリット

農薬散布に農業用ドローンを導入することには様々なメリットがあります。数あるメリットから、主なものをまとめてみましょう。

ドローンは軽量・コンパクトである

産業ヘリと比べてドローンは小型・軽量であることがメリットになります。農薬散布用ドローンは10㎏前後のものが多く、コンパクトで運びやすいので準備に時間がかかりません。1人でも積み下ろしができ、折りたたまなくても軽トラに載せて移動することが可能です

作業効率を上げることができる

農薬散布ドローンは時速15kmほどのスピードで4mの幅を散布します。10ヘクタールを約1分で散布することができ、人力での作業に比べると約1/5の時間で作業を完了させることができると言われています。

隣の圃場への農薬散布もそのまま継続させることができ、中山間地域でも小回りの利くドローンを利用すれば問題なく作業を行うことができます。騒音が少ないので早朝からの作業でも近所迷惑にならないというメリットがあります。

農薬散布時期を自分で選べる

業者に農薬散布を依頼すると、散布日の予定を合わせるのが難しい時があります。雨による延期や、どこの業者も忙しくてすぐに散布できないなど、農家にとって頭の痛くなる問題が生じることがあります。農薬散布ドローンを所有していれば、農薬散布時期を自分で決めて作業することができます。

 

ドローンで農薬散布を行うために知っておくべきこと

ドローンによる農薬散布の導入を考えている農家が急速に増加しています。ドローンで農薬散布を行うために、関係する法律について知っておく必要があります。

ドローンの操縦をするための免許や認定は特に必要ありませんが、ドローンを使った農薬散布は「危険物輸送」「物件投下」に該当するので、航空法に従って事前に国土交通大臣の承認を得る必要があります。

農薬の扱いにも気を付けなければなりません。農薬取締法がありますから、農薬のラベルに記されている使用方法を守り、ドリフトが起こらないように気を付ける必要があります。農薬散布の計画は「空中散布ガイドライン」を確認して行うようにします。

農薬散布ドローンを購入して活用する自信がないと言う場合は、農家とドローンパイロットをつなげるマッチングサービスを利用することもできるでしょう。「DRONE CONNECT」には農薬散布の経験豊富なプロのドローンパイロットが数多く在籍していて、ドローン農薬散布依頼サービスを展開しています。

気軽に利用できるドローン農薬散布サービスを活用しつつ、今後農薬散布用ドローンを購入するかを検討することができるでしょう。