医療従事者へ温かいランチをドローン配送 横須賀市立市民病院

更新日: 2021.06.26 公開日: 2021.06.26
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2021年6月10日、横須賀市立市民病院で働く医療従事者へランチをオンデマンドでドローン配送するという実証実験が実施されました。

この実験は、株式会社エアロネクスト・株式会社ACCESS・株式会社出前館・株式会社吉野家が神奈川県・横須賀市・横須賀市立市民病院・神奈川県立海洋科学高等学校の協力のもと行われています。

 

今回の取り組みは、2019年12月に神奈川県のドローン前提社会の実現に向けたモデル事業として採択された「ドローン物流定期ルートの解説に向けた実証実験」ならびに、横須賀市の地域課題解決を目指した「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の一環とされています。

同時に、2022年度の「空の産業革命 レベル4」解禁へ向け将来の食料品や医薬品のドローン定期配送を見据えた取り組みでもあるとのこと。

 

空の産業革命レベル4とは、2020年7月に発表された小型無人機に係る環境整備に向けた官民協会議による「空の産業革命に向けたロードマップ2020」に明記されている、2022年度を目標とした「有人地帯での補助なし目視外飛行」の実現フェーズのことを指します。

 

飛行区間は横須賀市立石公園から横須賀市立市民病院まで。

出前館のアプリで注文された吉野家の牛丼弁当が、吉野家のキッチンカーにて調理され専用ボックスへ格納し、出前館の配達員によってドローン離陸地点(立石公園)まで搬送という流れです。

 

実証実験概要は次の通りです。

 

専用ボックスがドローンにセットされると、ドローンは立石公園から離陸します。

海上4.5km、陸上0.7kmの合計約5.2kmの航路を約10分間飛行し、横須賀市立市民病院屋上へ着陸後医療従事者に届けられました。

 

横須賀市立市民病院は、新型コロナウイルス感染症で入院が必要と診断された中等症の患者を受け入れる「重点医療機関」に指定されています。

周辺には昼食を摂れる場所も少なく、昼食のために外出をする時間的な余裕もままならない中で新型コロナウイルス感染症対策のため院内の食堂も時間短縮で運営。

そのため、医療従事者にとっては温かい昼食を摂りにくい環境とのことです。

 

使用された機体はエアロネクスト製で、独自の機体構造設計技術「4DGRAVITY」を搭載。

飛行部と搭載部が分離した構造の、物流用途に特化した物流専用ドローンです。

2021年3月に発表された自律制御システム研究所(ACSL)とエアロネクストの共同開発の最新機体で、今回が初披露となりました。