ハイタカにそっくりなドローンを開発 -キューバ-

更新日: 2021.06.13 公開日: 2021.06.20
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キューバの技術者集団「アラソルシオネス(Alasoluciones)」が、ハイタカの見た目や鳴き声を忠実に再現したドローンを開発しました。

 

アラソルシオネスは、1962年からアメリカの制裁を受けているキューバで、外国の製品や技術に頼ることなく、より安価な国産品を開発するために活動している団体です。

 

今回開発されたドローンは、木材や金属片、プラスティックで作られており、長さが1.3mある翼で空を舞ったり、急降下しながら約1時間ほど自律飛行することを可能としています。

 

元々は、空港で飛行機の離着陸の妨げになる鳥を追い払う目的として開発されましたが、政府によって農作物の観察やガス配管、電気設備、通信塔の点検などにも利用されているとのことです。

 

今回のドローンは、プロジェクト開始から4年の歳月をかけて誕生しました。アラソルシオネスのエルネスト・アラゴンさんは、「課題を解決する意欲を私たちは持ち続けてきた」と語っています。

 

そもそも、キューバでは個人事業が法律で禁止されており、アラソルシオネスはこれまで企業登録できませんでした。

 

そのため開発の道のりは平坦なものではなかったと言います。材料の調達や技術的な問題がありました。キューバ共産党の管理の下にあることから、民間の商取引が法律で禁止されていることも開発のスピードを遅らせていました。

 

しかしながら、2021年2月、政府は今まで厳格な管理下にあった2000以上の業種について、国家公務員ではなく民間の事業者として登録できるようにすると発表しています。4月に行われたキューバ共産党の党大会では、マヌエル・マレロ首相が、技術革新の促進を目的として、中小企業の登録を可能にするルール作りを進めていると述べました。

 

この法律上の進展は、アラソルシオネスの今後のドローン開発の追い風となるかもれしれません。