ドローン活用により豆つぶ剤散布の時間が半分以下に!

更新日: 2021.06.13 公開日: 2021.06.17
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「青森県産業技術センター農林総合研究所」(以下、「同研究所」と表記)は、ドローンで農薬の豆つぶ剤を散布する際にかかる時間を従来の半分にする方法を突き止めました。吐出量を増やすことにより、約3分半で1ヘクタールの大区画水田に散布できるとのことです。なお、自動・手動飛行どちらにも採用できる方法となっています。

 

今回の試験に使用したのは、「クミアイ化学工業」の水稲用一発処理除草剤の豆つぶ剤です。ドローンの粒剤散布機は多くの場合、吐出量を調節するための円盤目盛りが小さい値に絞られて販売されていますが、初期設定を変えずにそのまま使う人が多いと言われています。そこで今回、同研究所はクミアイ化学工業の協力を得て、吐出量を多くして散布すると所要時間の変化を確認する試験を実施しました。

 

今回の散布試験は、約90アールの大区画水田で実施されました。ドローンは自動飛行と手動飛行の2機を使用。吐出量を調節する円盤目盛りを初期設定の「3」から最大の「15」に変更し、粒剤を送り出すインペラは300回転/分、シャッター開度は75%の設定にして行われています。

 

結果は、自動飛行では時速10キロで3往復し、散布にかかった時間は1ヘクタール当たり3分20秒。手動飛行では時速3キロで区画の中央を1往復し、所要時間は1ヘクタール当たり3分30秒となっています。

初期設定の吐出量で散布すると9往復で1ヘクタール当たり約8分とされているため、自動飛行でも手動飛行でもその半分以下の時間で散布できたということになります。

※豆つぶ剤が落ちる量は決まっているため、飛行速度が速ければたくさん往復し、遅ければ少なく往復して散布することになります。

 

除草効果は従来の方法と同様に十分得られたとのことです。また、その後の調査では薬害もなかったことが分かっています。

 

同研究所によると、大きな水田だけではなく小さな区画にも同じ方法を活用できるとのことです。今回の発見は、農家の作業負担の軽減につながるでしょう。