ドローン活用がいち早く進んだ映像業界、活用事例や必要な機材をご紹介

更新日: 2021.11.22 公開日: 2017.11.15
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映画、テレビ、プロモーションなど、ドローンの導入がいち早く進んだのが映像業界です。映像業界でのドローン活用事例や、空撮業務を行う際に必要となる機材についてご紹介します。

目次

ドローンのビジネス活用事例が最も多い映像業界

これまで、空撮映像は莫大な費用を支払って、ヘリコプターを手配して撮影されてきましたが、ドローンの登場によって撮影業界では革命が起こり、臨場感や迫力を損なわず、高品質な空撮映像を安価に撮影することが可能になりました。

その結果、映画を筆頭にテレビドラマ、バラエティ番組、アーティストのミュージックビデオ、観光プロモーション映像など、あらゆる映像にドローンが活用されるようになったのです。

また近年では各種イベントでの空撮、花火大会での空撮、スポーツの試合の空撮、ブライダル関連の空撮など、さらにその分野が拡大しています。

ここまで普及したのはドローンの登場によって映像業界における撮影コストが低下したことが大きな要因と言えますが、一方では需要と供給のバランスが崩れ、空撮相場が下落しているとも言われています。

空撮業務に使用できるドローンは安いもので15万円程度から購入が可能なため、費用面で見ると参入への障壁が低いことから、個人事業主や既存の映像プロダクションなども容易に導入できるようになりました。

またドローンスクールが続々と開校していることもあり、将来ドローン空撮ビジネスを目指すオペレーターも急増しています。

需要と供給のバランスの変化による空撮相場の下落は、今はまだ大きな問題となっていませんが、撮影業界におけるドローン活用とその変化については注視しておくべき状況にあると考えられます。

 

ドローン空撮事例

ドローン空撮はすでに様々な分野で導入されています。ここでは撮影業界での具体的なドローン事例をご紹介します。

映画・テレビドラマ

2012年、アメリカ(ハリウッド)のロジャー・ディーキンス監督が映画「007 スカイフォール」でドローン空撮を導入したことがきっかけとなって世界中に広まったと言われています。

また、2013年に人気を博したNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のオープニング映像は、ほぼドローンによる空撮だったとして話題を集めました。

ミュージックビデオ

2014年にアメリカインディー・ロックバンドのOK Go(オーケー・ゴー)が公開した「I Won’t Let You Down」のミュージックビデオ全編がドローンによるノーカット空撮だったことで大きな話題となりました。

日本でも東京パフォーマンスドール、湘南乃風など、ミュージックビデオにドローン空撮を取り入れるアーティストが続々と登場し始めました。

観光プロモーション

2015年、鹿児島県は「BIRD’S EYE VIEW OF KAGOSHIMA」という名のドローン空撮による美しい映像の数々を公開して話題を呼びました。

また株式会社Dron é motion(ドローンエモーション)は「ドローン×地方創生」をテーマに掲げる企業で、四季を通してその地域の魅力を発信するドローン空撮活用サービスを提供しています。

以降、旅番組の地域紹介時などにもドローンによる空撮映像の活用が目立つようになってきました。

スポーツ

2015年、日本中を感動に巻き込んだラグビーW杯、日本代表が優勝候補の筆頭と言われていた南アフリカ代表を破ったあの試合の陰でも、ドローンが活躍していました。

合宿での練習時にドローン空撮による俯瞰映像を撮影して、選手のポジショニング、タックルで倒された選手がどれくらいの速さで立ち上がりディフェンスラインを形成するに至るかなどのチェックを行ったといいます。

このように「ドローンの空撮映像を見ない日はない」と言えるほど、ドローン空撮は私たちにとって身近な存在になりつつあり、様々な分野や映像業界でのドローン活用事例も次々に増えています。

 

ドローン空撮業務に必要な機材について

ドローン空撮は参入への障壁が比較的低く、準備するための機材もそこまで高額なものではありません。

ドローン機体

15万円以上の価格帯が目安となります。

Phantom 4 PRO(DJI)…空撮では最もポピュラーな機体です。

Inspire 2(DJI)…より本格的な空撮映像が撮影できます。

Mavic Pro(DJI)…可搬性に優れています。

Bebop 2(Parrot)…可搬性に優れています。

あるいは航空法の規制を大きく受けない200g未満のDOBBY(ZEROTECH)などもあります。専門的な映像を撮影するための上位機種もありますが、まずはこの辺りから購入すると良いでしょう。

予備バッテリー

機種にもよりますが、一般的な空撮用ドローンは1回の飛行時間が20分~長くても30分程度と比較的短いものが主流です。

決定的瞬間にバッテリー切れだったなどという失敗をしないためにも予備バッテリーは必須アイテムです。

同メーカー、同シリーズでも機種が違うとバッテリーの形状が変わることもありますので注意しましょう。

スマホ又はタブレット

プロポにスマホやタブレットを接続するタイプ、スマホやタブレット自体をコントローラーとして使用するタイプがあります。

映像編集ソフトウェア

空撮映像のデータをそのまま納品するのではなく、編集して納品する場合は映像編集ソフトウェアが必須です。Premiere Pro CC(Adobe)やFinal Cut Pro(Apple)など、どの程度のレベルまで編集するかによって最適なソフトを選びましょう。

 

ドローン空撮技術は身につけておいて損はない

ドローン空撮業務は相場の下落が懸念されていますが、今後どう推移していくのかは分かりません。

もしあなたが今まで空撮とは無関係だった分野を掘り起こすことができれば、それはそれで新たなビジネスチャンスにもなります。

むしろ、今後何かしらのドローン関連のビジネスを考えている方は、空撮技術を身につけておいて損はないと言えるのではないでしょうか。

特に映像業界においてはドローンの活用は今後も活性化が予想されますので、気になる方は動向を注視してみてください。

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