ドローンの高度な運用で必要となる第三種陸上特殊無線技士資格と過去問題を解説

更新日: 2021.11.24 公開日: 2018.02.07
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近年ではドローンの運用形態が多様化し、遠隔での画像伝送による運用が可能となっています。こうした運用で必要となってくるのが第三種陸上特殊無線技士の資格です。この記事では、第三種特殊無線技士の資格が必要となる運用形態を説明し、資格を取得する方法と、第三種特殊無線技士資格の試験に出た過去問題で勉強する方法を紹介します。

目次

第三級陸上特殊無線技士資格が必要な運用形態

ドローンでは一般的に2.4GHz帯の電波が使用されます。送信出力が10mW/MHz以下であれば無線従事者資格は不要です。技術基準適合証明を受けたドローンであれば、無線局免許も不要です。

こうした運用では送信出力が小さく、運用範囲はおのずと限られてきます。また2.4GHz帯はWi-Fiなどは他の電波源と周波数が近く、電波干渉を受けやすいこともあり、運用にあたって十分な注意が必要となっています。

このような問題があることから、2016年8月に電波法が改正され、2.4GHz帯に加えて、電波干渉の心配の少ない5.7GHz帯もドローンの運用に割り当てられました。送信出力はどちらも最大1Wまで認められています。

総務省では、ドローンを使用した長距離で高画質な画像伝送システムである「無人移動体画像伝送システム」を2016年8月に制度化しています。このシステムでは、2.7GHz帯および5.7GHz帯を使用し、送信出力1Wでの運用が想定されています。

このシステムでは、最大5Kmまでの遠隔画像伝送が可能となります。こうした運用や、送信出力が10mW/MHzを超える運用、または5.7GHz帯での運用には第三種陸上特殊無線技士の資格が必要となります。

 

資格を取得する方法

第三種陸上特殊無線技士の資格を取得するには国家試験を受ける方法と、講習会の養成課程を受講する方法の二つがあります。

国家試験は6月、10月、12月の年3回行われています。試験は東京、札幌、仙台、長野、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、熊本及び那覇で行われており、試験費用は5,162円です。

試験問題には無線工学と法規があり、それぞれ12問で4択です。無線工学や法規は耳慣れない用語が出てきますが、試験の難易度はそれほど難しくはありません。12問中8問正解で合格となります。

第三種陸上特殊無線技士資格の過去問題を丁寧に勉強することで比較的容易に合格することができるでしょう。

講習会の養成課程は日本無線協会が実施しており、1日養成課程を受講するだけで資格を取得することができます。実施場所は全国都道府県です。受講料として2万4,084円と免許申請手数料1,750円がかかります。時間に余裕がない場合は利用を検討してもよいでしょう。

 

試験に出た第三種陸上特殊無線技士資格の過去問題で勉強する

第三種陸上特殊無線技士の3年間の過去問題が「日本無線協会」のサイトで公開されています。過去問題とその回答を閲覧することができますので、このサイトの過去問題をじっくり勉強することをおすすめします。

この他に過去問題集の書籍が発刊されており、Amazonなどで購入することができます。また、スマホで過去問題を見ることができるアプリもあります。通勤途中などにスマホで過去問を勉強することができます。

過去問だけでは不安だという人には、情報通信振興会から第三種陸上特殊無線技士試験の無線工学と法規の標準教科書が発刊されているので、購入して勉強してみるのもいいでしょう。

第三種陸上特殊無線技士資格の過去問をさらっと読んでから、標準教科書で気になるところを学習し、今度は過去問を解いてみる、といったサイクルを繰り返すと効率よく学べるかもしれません。

とくかく第三種陸上特殊無線技士資格の取得のためには、過去問題を繰り返し勉強することが合格の近道です。

 

まとめ

ドローンの高度な運用で必要となる第三種陸上特殊無線技士資格とその過去問について説明しました。

第三種陸上特殊無線技士の試験に合格することはそれほど難しいことではありません。第三種陸上特殊無線技士資格の過去問を丁寧に勉強することで合格することができるでしょう。

ドローンを使用した長距離で高画質の画像伝送は、これから広く行われるようになる見込みです。こうした高度なドローンの運用には第三種陸上特殊無線技士の資格が欠かせません。

今後、ドローンの高度な運用に挑戦したいとお考えの方には、第三種陸上特殊無線技士の資格取得をおすすめします。

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