ドローンのレーザー測量とは?測量の種類や価格について解説

更新日: 2021.11.19 公開日: 2019.11.24
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そもそもドローン測量って何?

ドローン測量とは、ドローンを飛行させて地面の様子をレーザーや写真撮影を通してデータ化した後、専用ソフトを使って図面や3Dモデルを作成する、という測量方法です。

測量用のドローンは、飛行中に人工衛星から取得する位置情報と気圧計などから取得する高度情報を、光学カメラやレーザーで捉えたデータと合わせて処理することで、3次元点群データを生成することができます。この3次元点群データを専用ソフトで編集したり加工したりすることで、2点間の距離や盛土の体積などを計測したり、3Dモデル作成、図面作成、出来形管理をしたりできます。

今までは人が入れない場所を測量したり、広大な敷地を測量したりするには、セスナなどの航空機による測量が一般的でした。しかしながら、セスナなどの航空機の測量には大きなコストがかかるのがネックとなっていました。

しかし、ドローン測量なら航空機よりも安く済みます。例えば、航空機による写真測量で100万円近くかかったものが、ドローンによる測量なら十数万円で済む場合があります。しかも、ドローンはセスナよりも低い位置を飛行できるので、より密度の高い画像やデータを取得できますので、より精度の高い3Dモデルを作成できます。

このように、ドローン測量には大きなメリットがありますから、建設現場ではドローンを使って測量するケースが増えています。

 

ドローンの測量にはレーザー測量と写真測量がある 

ドローンによる測量には、レーザー測量と写真測量があります。

まず、写真測量というのは、ドローンに搭載した光学カメラで撮影した画像を基に測量することです。しかし、森林や山といった場所を測量する際には、樹木が障害物となり地面を撮影することができず、正確な測量ができませんでした。

このデメリットを克服したのが、レーザー測量です。レーザー測量では、ドローンに搭載したレーザー装置から地上に向けてレーザーを照射することで測量します。地面に当たったレーザーの跳ね返りによって距離情報を取得し、GPSやGLONASSから得られる位置情報と組み合わせて、地表の様子を精密に記録することができます。

数多くのレーザーを発射しますので、障害物の隙間から地表にレーザーを当てることができます。このため、樹木などの障害物があっても、正確に地面を測量することが可能なのです。

ドローンのレーザー測量のデメリットとして、地表に近い位置でレーザー照射することで精密なデータを取得できるため、起伏が激しい場所などではドローン操縦士の技術によってデータの質が左右されてしまう、ということがあります。この課題克服のため、ドローンの自動飛行機能の向上が求められています。

ドローンのレーザー測量の別のデメリットは、次の項目でご説明しますが、価格が高いことです。

 

レーザー測量ができるドローンの価格は高い?

 

レーザーの計測機器の価格は、数百万~1,000万円近くします。このため、ドローンとレーザー計測機器などを合わせたトータルの価格は2,000万~3,000万円することも珍しくありません。

このように、ドローンのレーザー測量を導入するには高い価格を支払う必要があるため、ドローンの写真測量のようにはまだ普及が広がっていません。

 

価格破壊のレーザー測量ドローン登場で今後の動きに期待が高まる

しかしながら、最近、価格破壊のレーザー測量ドローンが登場しました。

今年に入って、急成長を続ける日本のベンチャー企業「テラドローン株式会社」が、それまでのレーザー測量ドローンの価格の常識を覆す「Terra Lidar」を発売することを発表したのです。

この製品のドローン本体とレーザー測量機器の合計の参考価格は700万円前後です。これほどまでの低価格を実現できたのは、価格の高い「IMU」という慣性計測装置の代わりに、GPS用の1周波アンテナを6個使用した「マルチアンテナGPS」を採用したことによります。IMUの価格は1,000万円以上しますが、マルチアンテナGPSは10万円くらいの価格で付けられますので、これにより大幅な価格ダウンに成功できたのです。

このような価格革命が起きたので、今後はドローンによるレーザー測量の普及が進んでいくかもしれません。

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