ドローンとラジコンは何が違う?定義と共通ルールを解説 

更新日: 2024.04.10 公開日: 2018.09.18
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趣味用だけでなく産業用でも活用される機会が増えたドローン。

しかし、「ドローンとラジコンって何が違うの?」という疑問について、明確に理解していない方も多いはずです。

ドローンもラジコンも「プロポ」と呼ばれるコントローラーで操縦するので、どちらも同じに見えてしまいます。

しかし、この2つには決定的な違いがあるので、定義や注意すべき共通ルールを解説します。

目次

ドローンとラジコンの定義を解説

では、まず最初にドローンとラジコンの定義を明確にしていきましょう。

簡単に説明すると、ドローンとラジコンは以下のようなものです。

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ドローン無人航空機のこと。無線で操縦して飛行する機体
ラジコンRadio Control(意:無線で操縦する)の略。無線操縦できる車やヘリなどの玩具

では、それぞれの定義について詳しくみていきましょう。

ドローンの定義

ドローンは、無人航空機を指す言葉です。

無線通信で操縦を行い、機体を飛行させるため、広い意味ではラジコンヘリもドローンに含まれます。

そのため、ラジコンとは異なり、ドローンか否かを明確に区別する基準は存在しません。

また、ドローンにはさまざまな種類があります。

空撮などで使用される「ホビー用ドローン」や、「トイドローン」と呼ばれる100g未満の機体、測定機器や大型カメラを搭載した「産業用ドローン」、速く飛ぶことを目的とした「レーシングドローン」、軍事目的で使われるドローンまで多種多様です。

ラジコンの定義

ラジコンは、「Radio Control」を略した言葉で、無線通信で操縦する車やヘリなどの玩具を指します。

実はラジコンは登録商標で、玩具メーカーの増田屋コーポレーションが、1955年に無線操縦可能なおもちゃに対して「ラジコン」と命名し、販売を開始したのがきっかけです。

そのため、本来はラジコンに似た玩具を、増田屋の許可なく「ラジコン」として販売できません。

ちなみにラジコンに似た玩具を販売するタミヤでは、無線操縦できるミニカーのことを「RC」と呼んでいます。

ドローンとラジコンの違い

ここでは、ドローンとラジコンの違いを解説します。

全てに当てはまるわけではありませんが、それぞれの項目に分けて詳しくみていきましょう。

プロペラの数

一般的に、ドローンのプロペラの数は4枚と多いのに対して、ラジコンは大小2つのプロペラがあるのみです。

飛行する仕組みも異なっており、ドローンは4枚のプロペラの回転数を変えることで、安定したホバリングや移動を行います。

それに対して、ラジコンは中央とテール部分の2つのプロペラを逆方向に回転させることで、バランスを維持しています。

操縦方法の違い

ドローンとラジコンの大きな違いとして挙げられるのが「自律性の有無」です。

自律性の有無は操縦方法の違いにも現れており、ドローンには自律機能があるため、比較的簡単に操縦できます。

一方でラジコンには自律機能がないため、操縦難易度がやや上がります。

動力

機体を飛行させる際に使用する動力にも以下のような違いがあります。

  • ドローン:ポリマーバッテリー、リチウムイオンバッテリー
  • ラジコン:モーター駆動

用途

ラジコンはほとんどの場合、玩具として趣味で飛ばすだけの用途に限定されています。

一方でドローンは、飛ばすだけでなく空撮や点検、測量、警備、農薬散布など、さまざまな用途で使える機体がラインナップされています。

趣味用・産業用などさまざまな種類にあり、1つの用途に特化したハイスペックなドローンもあります。

使用機器

ラジコンと比べてドローンにはさまざまな機器が使用されています。

ドローンに使用されている機器は以下の通りです。

  • GPS機能
  • 加速度センサー
  • ジャイロセンサー
  • 気圧センサー
  • 電子コンパス
  • フライトコントローラー

さまざまな機器を搭載することで、高度な飛行を実現しています。

ドローンとラジコンを飛ばす際に守るべきルール

ドローンとラジコンは、法的にはどちらも「無人航空機」と分類されているため、同じルールの下で飛行させなければなりません。

【無人航空機とは】

「人が乗ることができない飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」

ここでは、ドローンやラジコンを飛ばす際に、守るべきルールを紹介します。

航空法で定められた主な飛行ルール

航空法では、100g以上の機体に対して、以下の空域および方法での飛行を禁止しています。

【特定飛行に該当するもの】

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飛行する空域・空港などの周辺
・人口集中地区の上空
・150以上の上空
・緊急用無空域
飛行の方法・夜間での飛行
・目視外での飛行
・人または物件との距離を確保できない飛行
・催し場所上空での飛行
・危険物の輸送
・物件の投下

上記に該当する飛行をする場合には、国土交通省への許可申請が承認されなければなりません。

100g以上の機体は登録が義務付けられている

100g以上の機体に関しては、登録が義務付けられています。

2022年6月からスタートした制度で、無人航空機の安全な運航や管理や、速やかな事故対応を可能にすることが目的です。

100g以上で未登録の機体を飛ばすと、罰則の対象になるため注意が必要です。

その他に守るべき飛行ルール

航空法以外にもドローンやラジコンを飛ばす際に守るべきルールがあります。

例えば、国会議事堂や外国公館など、国の重要施設周辺での飛行を禁止する「小型無人機等飛行禁止法」があります。

その他にも、飛行場所や状況に応じて、関連する法律をチェックしなければなりません。

また、法律だけでなく、都道府県条例や施設の利用ルールなども遵守してください。

ドローンとラジコンに関するよくある質問

ドローンとラジコンに関するよくある質問をまとめました。

ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。

ドローンとラジコンの法規制は同じ?

ドローンとラジコンは法的には同じ「無人航空機」に該当するため、同じ法規制を受けます。

そのため、ドローンもラジコンも同じ飛行ルールで飛ばしてください。

ラジコンも機体登録は必要?

ラジコンも機体重量が100g以上の場合は機体登録が必要です。

操縦が難しいのはどっち?

一般的にドローンには自律機能が搭載されているため、機体を安定させた状態で飛行できるという意味で、ドローンの方が操縦は簡単と言われています。

まとめ

ドローンとラジコンの違いを解説しました。

同じように見えて、細かい部分では全く違う機体なので、それぞれの特徴をよく把握してみてください。

ただし、ドローンもラジコンも飛行ルールは共通なので、飛ばす前に確認を済ませておきましょう。

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